【保存版】空き家バンクを徹底解説|賢い利用方法と3つの注意点

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空き家

近年、田舎に移住したい都会の人が増えていますが、田舎にはたくさんの空き家が出て、処分に困っている現状があります。

この2つの問題を同時に解決できないかとして考え出されたのが、空き家バンクです。

空き家バンクとは、地方自治体などが主体となって、空き家を借りたい人と、地方で空き家を提供したい人(空き家の所有者)のマッチングを行うサービスのことです。

たとえば、田舎で空き家があって処分に困っている人は、自治体やNPO法人の運用している空き家バンクに登録します。

都会から田舎に移住したい人は、空き家バンクに登録をして気に入った物件を検索します。良い空き家が見つかったら、その空き家の所有者と交渉をして、賃借したり購入することができます。

田舎の人にしてみれば、処分に困っている空き家を有効に活用できますし、田舎に移住したい人にしてみれば、気に入った物件を探して安く移住することが可能になります。

この記事では、空き家バンクでできることやできないこと、利用する時の注意点などについてまとめました。空き家バンクを利用したいと思っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

1.空き家を持っている人が空き家バンクでできること

空き家

空き家を持っている人は、空き家バンクを利用することによって、必要のない空き家を有効活用することができます。

田舎では過疎化なども進んでいて、誰も住んでいない空き家が増えています。誰も住まないまま放置されていると、空き家はどんどん傷んでしまいます。放っておくと、倒壊の危険性などもあります。

また近年の法改正により、空き家の中でも倒壊の危険性などのある問題のある空き家については、「特定空き家」に指定され、固定資産税が増額されることが決定されました。これは平成27年度から適用されている税制で、問題のある特定空き家に指定されると、それまでの6倍もの固定資産税が課税される場合もあります。

そのため、田舎で管理できない空き家を所有している人にとっては、空き家を有効利用することは大きな課題になりました。

そこで役立つのが空き家バンクです。自分一人で空き家の有効利用をしようとしても、なかなかうまくはいきません。営利目的を持った不動産会社に仲介を頼んでも、なかなか積極的に動いてくれませんし、賃借人や購入者も見つかりません。

地方自治体などの運営する空き家バンクを利用すれば、比較的簡単に空き家の利用者を見つけることができます。空き家を賃貸するか売却するかについても、その処分方法は自分で自由に決めることができますので、空き家を持っているのであれば、空き家バンクを検討してみてください。

使い道のない空き家を有効に活用することができます。

2.移住希望者が空き家バンクでできること

移住希望者

移住希望者が空き家バンクでできることは主に3つあります。

その1 移住先を探すことができる

空き家バンクを利用すると、田舎で気に入った家を探して移住することができます。

都会暮らしをしていても、田舎で暮らしたいという憧れを持っている人はたくさんいます。もともと田舎に住んでいて、また田舎に戻りたいと思う人もいますし、定年退職後に田舎暮らしをしたいと考える人などもいます。

しかし、このように田舎に移住したいと思っても、適当な物件を探すのは結構大変です。田舎には賃貸情報も少ないですし、空き家の仲介をしても儲からないため、不動産会社も積極的に仲介業を行おうとはしません。そのため、どうやって移住先や移住物件を探せば良いのかわからないことは多くあります。

このような場合、空き家バンクを利用するととても便利です。全国の自治体が空き家バンクを実施していますので、簡単に移住するための物件を探すことができます。

その2 安い賃料で田舎暮らしができる

空き家バンクを利用して空き家を借りる場合には、格安の料金で賃借できます。たとえば1ヶ月の賃料が1万円~2万円程度であることもよくあります。

空き家バンクは、営利目的ではない自治体やNPO法人などが運営しているため、利益を度外視して、空き家の有効利用という目的だけを持ち、物件を紹介してくれます。空き家を貸し出したい人も、元々処分に困っているような物件を有効利用できれば良いという気持ちなので、さほど利益を目的としていないことが多いです。

不動産仲介サイトなどを利用すると、不動産会社も利益が必要なため、期待していたほど家賃が安くないことがありますので、なかなか良い物件が見つからない時には、空き家バンクを利用してみてください。格安の賃料で家を借りて、田舎暮らしすることが可能です。

その3 安い金額で家が買える

空き家バンクを利用すると、安い金額で空き家を購入できることもあります。空き家バンクの営利目的ではないこと、そして空き家の提供者も利益を得ようとはしていないことが多いからです。

中には50万円や、無料で空き家を譲り受けたという人もいますので、購入を考えている時には空き家バンクを覗いてみることをおすすめします。

3.空き家バンクでできないこと

空き家

空き家バンクは空き家を提供する所有者にとっても、移住希望者にとっても便利な制度ですが、空き家バンクを使ってもできないこともあります。中には、

空き家バンクで出来ると思われがちでも、実は出来ないということもあります。
るので、以下では、誤解されがちな空き家バンクで出来ないことについて、移住希望者からの視点と、空き家の提供者からの視点に分けて、順番に見ていきましょう。

その1 どんな物件でも登録できるわけではない

空き家バンクだからどんな空き家でも登録してもらうことができる、と思ってしまいがちですが、実際にはどんな物件でも空き家バンクに登録できるわけではありません。

空き家バンクへの登録の際、担当者が実際に空き家を見に来て、物件の外観確認をすることが普通です。空き家の内部を確認する場合もあります。

そして、実際に空き家を確認した後、登録が可能かどうかの連絡がきますが、その空き家の老朽化が著しかったり、あまりにも大規模なリフォームや修繕が必要な場合には、空き家バンクへの登録を断られることがあります。

空き家の傷み具合がひどすぎると、空き家バンクの利用ができないことがありますので、その点は頭に入れておきましょう。

その2 行政に仲介してもらえない

移住希望者が空き家バンクで気に入った物件を見つけた時、空き家所有者との賃料や売買条件などの交渉は、本人が直接する必要があります。

空き家バンクを利用すると地方自治体などの行政が間に入ってくれて、話し合いを仲介してくれると思っている方もいますが、行政は話し合いの仲介はしてくれません。行政がしてくれるのは、空き家の所有者と移住希望者との引き合わせまでです。

その後の賃貸条件や購入条件などの具体的な話し合いは、移住希望者と空き家提供者が、当事者同士で行う必要があります。トラブルを避けるために仲介を入れたい場合には、自分で不動産会社に仲介を依頼する必要がありますので、注意しましょう。

その3 すぐに住めない場合がある

移住希望者が空き家を見つけた際、すぐに住むことができないケースもあるので注意してください。

空き家バンクに登録している空き家の中には、所有者がきちんと管理できていない空き家もあるため、すでに相当傷んでいることがあります。

このような場合、住むためには壁の塗り直しや床の補修、階段の調整や台所の交換、お風呂の交換など、いろいろな補修やリフォームが必要になることが多く、高額な費用がかかってしまいます。中には空き家の購入費用よりも高くなることもあります。

良い場所に良い物件が見つかり、良い条件で賃借や購入ができたとしても、リフォームの手間や費用がかかってしまい、すぐに住むことができないケースがあることには注意が必要です。

4.空き家バンクがおすすめな人

空き家

空き家バンクの利用がおすすめな人というのはどのような人なのでしょうか。いくつかパターン別に見てみましょう。

その1 空き家を売却したい・処分したい人

空き家バンクを利用すると、移住希望者を募ることができるため、空き家を売却したい、もしくは処分したいと考えている人におすすめです。

不動産査定をしてみても買取額がつかなかったような空き家でも、空き家バンクでは利用者が出る場合もあります。希望している不動産査定額がつかなかった時には、空き家バンクを検討してみるのも良いでしょう。

その2 退職後に地方移住したい人

空き家バンクは、会社(勤務先)の定年退職後に田舎に移住したいと考えている人におすすめです。

空き家バンクでは、その地方の良さや特色を宣伝しているため、どこの地方に移住するかも決めやすいですし、移住先の物件探しも一緒にすることができます。

また、事前に行政の担当者や空き家の所有者と会って交渉をするうちに、その地域に慣れることができますので、溶け込みやすくなります。

その3 田舎でも仕事ができる人

田舎ではなかなか良い条件の仕事が見つからないことが良くあります。すでに定年退職して年金暮らしする場合には問題になりませんが、そうではない若い世代の場合には、移住先で仕事を探す必要があります。

農業をして生活をするならば良いですが、農業だけでは生活ができなかったり、農業が軌道に乗るまでの当面の生活費が必要な場合などもあります。そのため、田舎でもできる仕事をしている人は有利です。

たとえばフリーランスの人や漫画家、デザイナー、ライターなどの仕事であれば、パソコンや執筆道具があれば全国どこでも仕事ができます。

田舎でも続けやすい仕事をしている人は、空き家バンクの利用に向いていいます。

その4 新しい環境に適応しやすい人

田舎への移住に漠然とした憧れを持っていても、実際に田舎に移住すると大変な思いをすることが良くあります。例えば次のようなことが挙げられます。

  • 近くにスーパーもコンビニもないことが普通
  • 映画館やデパート、遊園地などの娯楽がない
  • 電車が通っていないので自動車で移動する必要がある
  • 虫や動物が出ることが多い
  • 冬には寒さがこたえる
  • 村が閉鎖的でコミュニティに溶け込むのが大変

田舎に移住するといろいろな苦労があったりするので、新しい環境への適応力はあったに越したことはありません。自分から積極的に地域のイベントや集会などに参加して、どんどん地域に溶け込んでいけるような人は、空き家バンクの利用に向いています。

5.空き家バンクを利用する時の3つの注意点

空き家バンクの注意点

空き家バンクを利用する際の注意点を順番に見ていきましょう。

注意点1 利用が困難な物件がある

空き家バンクを利用して賃借や購入する際、不動産会社によるチェックは入りません。不動産会社が仲介する場合には、利用困難な物件は振り落とされて紹介対象にはなりませんが、空き家バンクではふるいにかけられることなく、そのまま紹介されています。

「すぐに入居して生活できない」「建物の傷みが激しく、大規模な修繕やリフォームが必要」といったことは慎重になれば分かることなのでまだ良いですが、その土地に農地法などの法律や、行政的な利用制限などがついていて、実はかなり利用が困難な土地や建物であるなどの事例もあります。

どんな空き家を探しているのかにもよりますが、こう言ったことはありますので、注意するようにしてください。

注意点2 事前に必ず見学する

自分が今住んでいる場所から遠方である場合など、空き家を実際に見に行かずに購入などを決めてしまうケースがあります。しかし、空き家がある田舎は、都会暮らしの人には想像もつかないような環境にあることがあります。

たとえば、本当に周囲に何もない場所で、行ってみたら「こんな場所に住めるのか?」と不安を抱く場合もありますし、空き家の外観や内装があまりに傷んでいて、実際に見たら気持ちが萎えてしまうこともあります。

空き家を見に行かずに決めてしまうとこのような問題に気づかず、後になってから後悔することになってしまいます。

実際に空き家を見に行く時間がとりにくいこともあるかと思いますが、後に被る可能性のある不利益が大きすぎるので、空き家は必ず事前に見学するようにしてください。

注意点3 移住を前提に地域を見極める

空き家バンクを利用する際には、移住を前提にその地域の特性をしっかり見極めることが大切です。

地方に移住するということは、その町や村の住人になって、実際にそこで生活していくということです。一言で田舎と行ってもいろいろな特性がありますし、地域性もあります。自分に合った場所に移り住まないと、結局その地域に溶け込むことができず、都会に帰ってくることにもなってしまいます。

空き家バンクを利用して田舎に移住する場合には、事前にその地域がどのような場所なのかを実際に自分の目で確かめ、可能な限りその地域の人とも接触するなどして、その地域が自分にあっているかを見極める必要があります。

気軽な気持ちで「田舎に憧れている」「田舎ならどこでもいい」などと考えて空き家バンクを利用すると、後から後悔する可能性があるので注意しましょう。

6.空き家バンクを利用する3つのメリット

空き家バンクのメリット

空き家バンクのメリットは主に3つです。

メリット1 意外な良い物件を見つけやすい

空き家バンクにはたくさんの物件が掲載されていますが、このような物件は不動産業者の仲介サイトなどに載っているものとは異なります。

不動産業者が仲介する場合、その物件はすべてREINSに登録して情報共有しなければなりませんが、空き家バンクに登録している空き家は、不動産業者が絡んでいない限りREINSには登録しません。空き家の提供者が、その地方自治体に直接空き家を登録しています。

そのため、空き家バンクで空き家を探すと、不動産業者を通じては見つからないような、穴場物件を見つけることができるケースがあります。

メリット2 空き家以外の良い情報を入手できる

空き家バンクを利用すると、いろいろな情報に接する機会があります。

たとえば空き家の所有者から、その人が実際に住んでいたときの評判や、近隣の畑や農地に関する情報なども得られることがあります。このようなことは不動産会社にはわからない、その地域の居住者だけが知っている情報です。

空き家を探している最中や、空き家の所有者との交渉の際、空き家の見学で地方を訪れた際など、いろいろな人に話しを聞く機会があるのも、空き家バンクを利用するメリットでしょう。

メリット3 地域の活性化につながる

空き家バンクには、空き家の提供者や地方自治体、その地域全体にとってもメリットがあります。

田舎では、空き家の管理に困っている人が多く、放っておくと空き家がどんどん傷んできて倒壊の危険性なども出てきます。また、空き家が増えるとその分地域の雰囲気なども悪くなり、さらに過疎化がすすむことなどもあります。

空き家バンクを利用して空き家を有効活用出来れば、使い道のない空き家の数を減らすことができますし、新たな入居者も増やすことができるため、地域がさびれていくことを防ぐことができます。

特に、過疎化が進んでいたり、若者が流出して人口減少に苦しんでいる地方にとっては大きなメリットです。

7.空き家バンクを利用する2つのデメリット

空き家バンクのデメリット

空き家バンクを利用するデメリットは主に2つです。

デメリット1 空き家物件の詳細まで知ることは難しい

問題のある空き家の場合、不動産業者であれば取り扱いをしませんが、空き家バンクでは不動産業者のような調査や振り落としをしないので、問題のある物件でも空き家バンクへの登録がされていることがあります。

  • 傷みが激しくてすぐに住めない
  • 大規模な修繕が必要
  • 利用制限や条件が厳しい
  • 以前の所有者が大きな荷物やものを置いたままにしている

このような問題のある空き家だとしても、移住希望者も素人であるため、なかなか問題点に気づくことができません。問題物件を購入することによって、利用が困難になり、不利益を被る可能性があります。

空き家バンクを利用すると、空き家の状態や実情など、詳細を知ることは難しいことはデメリットの1つです。

デメリット2 直接交渉が必要になる

空き家バンクを利用して空き家を借りたり購入する場合、空き家の所有者との交渉は、基本的に自分でしなければなりません。

借りる側も貸す側も素人である場合が多いため、直接交渉は借りる側からしても、貸す側からしても大変な手間になりますし、戸惑うことも多いです。

お互いにしっかりとやり取りをして、不備がないように注意しなければなりませんが、実際には条件交渉でもめることもありますし、思わぬトラブルが発生することもあります。

自分の判断と責任で不動産業者を仲介に雇うことができますので、直接交渉が不安ならば、多少の手数料がかかっても不動産業者に仲介を依頼した方が良いでしょう。

8.まとめ

空き家バンクを利用する際には、面倒でも必ず事前に空き家を見に行って、状況などを確認しておくことが重要です。賢く空き家バンクを利用して、憧れの地方移住を成功させましょう。

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