空き家活用5つの成功事例・失敗事例と支給される補助金について

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空き家

全国に空き家はたくさんあります。特に地方では人口が減少することなどによって、空き家が増えている状況があります。

空き家を所有している場合、放置しているといろいろな問題が発生します。所有しているだけで固定資産税が発生しますし、空き家の状態が悪くなると、固定資産税の金額も上がる可能性があります。

そこでこの記事では、有効な空き家の活用方法についてまとめました。

空き家活用の成功事例や失敗事例、補助金制度などについても詳しくご紹介していますので、空き家を有効活用したい時の参考になれば幸いです。

1.空き家活用5つの成功事例

空き家を所有している場合、その空き家をどのように活用するかが重要な問題になります。放置していても固定資産税がかかるばかりで、何のメリットもないからです。

具体的にどのような空き家の活用方法があるのでしょうか。実際に空き家活用に成功した事例を参考にするのが1番なので、成功事例をいくつかご紹介します。

成功事例1 借り主負担DIY型で空き家を賃貸

空き家バンクを利用して空き家の賃借人を探しているAさんは、空き家バンクを通じて利用希望者を獲得しました。自分の好みでリフォームをして田舎暮らしを楽しみたいと希望していたので、Aさんは借り主負担でDIYを行ってもらい、その代わり賃料は月1万円で良いと提案しました。

空き家は現在その人が住んで有効活用されています。賃借人がきちんと修繕してくれたので、空き家は元とは異なり、とてもきれいになりましたし、固定資産税の支払いにも困らなくなったので、Aさんは満足しています。

なお、空き家バンクについては「【保存版】空き家バンクを徹底解説|賢い利用方法と3つの注意点」で詳しくご紹介していますので、合わせて確認してみてください。

>> 「【保存版】空き家バンクを徹底解説|賢い利用方法と3つの注意点」へ

借り主負担DIY型とは

借り主負担DIYとは、空き家の修繕を借り主が行う形での賃貸方法です。通常は賃貸する物件の管理や修繕は貸し主の負担になりますので、空き家が傷んでいる場合などには貸し主が自分の責任で修繕しなければなりません。

借り主負担DIYでは、空き家賃貸の際に借り主が自分の負担で修繕します。貸し主は修繕の負担を免れるメリットがあり、借り主にしてみても、自分好みに古民家をリフォームできるというメリットがあります。この場合には通常の相場よりも賃料が安くなる点も、借り主にとってはメリットになります。

成功事例2 シェアハウスにして毎月安定収入を獲得

Bさんは元々、空き家を所有していましたが、使い道がなく困っていました。そこそこ大きな物件だったで、その空き家を少し修繕して改装し、シェアハウスにしようと思い立ちました。

古民家風の雰囲気を残したまま人が住める程度に改装をして、シェアハウスとして賃借人を募集したところ、4人の入居者が決まりました。1人1万円の月額賃料を定めたので、今は月収4万円の安定収入があります。リフォーム代を支払っても、なお利益があったと感じて、非常に満足しています。

シェアハウスとは

シェアハウスとは、複数の賃借人が同居する形の賃貸住宅です。都会などには多いですが、地方部ではまだあまり普及が進んでいません。 近年、1軒の家を複数の賃借人に利用させる賃貸形態が注目されていて、空き家をシェアハウスにする方法での活用事例は増えています。

田舎では賃貸物件自体が少ないので、意外とたくさんの入居希望者が現れることがあります。シェアハウスにすると賃貸人にしてみても、複数の賃借人から賃料が入り利益が上がることになります。

成功事例3 宿泊施設として提供

Cさんはもともと空き家を所有していましたが、何の活用もせず放置していました。このままでは固定資産税もかかるので活用しようと考えたときに、宿泊施設として提供できる方法があることを知りました。

Cさんは空き家活用のNPO法人に仲介を依頼して空き家を改装し、簡易な民宿として貸し出すことになりました。今はCさんの空き家は多くの観光客に利用されています。

特に最近では外国人客なども増え、Cさんは地域貢献している気持ちにもなり、大変満足しています。もちろん空き家の放置による傷みの問題や固定資産税の支払いの問題からも解放されています。

宿泊施設として提供する方法とは

地方にやってくる観光客などの旅行者の宿泊先として、空き家を利用してもらいます。簡易な民宿として営むこともありますし、B&Bなどの営業形態にすることもあります。

成功事例4 公共施設として提供

もともと不要だった空き屋を市に買い取ってもらい、文化施設にしてもらったDさんがいます。Dさんは、古い空き屋をもてあましていたところ、空き屋の有効活用の仲介をしてくれるNPO団体を知り、活用を依頼しました。

すると、その空き家の価値に注目した市が買い取ってくれて、今は昔の商人屋敷を今に伝える文化施設として運営されています。

また、地域のコミュニティスペースとして空き家を寄贈したEさんもいます。Eさんも、もともと空き家を所有していてもてあましていましたが、近所の人が集まることのできるようなコミュニティスペースがあれば良いという要望があることを知り、その空き家を寄贈しました。

今はその空き家は改装され、近所の人の集会所やサークル利用などのスペースとして活用されていて、Eさんは大変満足しています。

公共施設として提供する方法とは

広い空き家などの場合には、住民のコミュニケーションスペースとして公共用に提供すると、とても役に立ちます。また、古い空き蔵などで文化的価値のあるものの場合には、文化施設として提供することにより、古いものの良さや伝統を地域の人や地域外の旅行者の人たちに広めることが可能です。

成功事例5 体験入居してもらって入居者を獲得

Fさんは、もともと空き家を所有していましたが、特に活用することなく放置しており、その処分に悩んでいました。空き家を地方移住の希望者の体験居住施設に利用する方法があると聞いて、それであれば自分も利用できそうだと感じ、自治体に登録をして空き家を提供するようになりました。

数日間~数ヶ月間、体験入居者に利用してもらい、利用者に実際に移住するかどうかを決めてもらいます。Fさんが市のホームページで体験入居の案内を出してもらうと、さっそく体験希望者が現れたので、今はその人が空き家に住んでいます。入居者が気に入ればそのまま空き家を賃貸して、その人に住み続けてもらうことができる予定です。

体験入居とは

地方に移住したい移住希望者はたくさんいますが、いきなり住み始める勇気がない人は多くいます。そのような人は、移住する前に体験入居をして、気に入った時に物件を借りて地方移住するという方法をとっています。そのような人のために、体験入居先として空き家を提供することができます。

2.空き家活用5つの失敗事例

空き家を活用して成功することもありますが、すべての場合において成功するわけではありません。慎重に対応しないと、失敗することもあります。空き家活用に失敗した事例を見てみましょう。

失敗事例1 空き家を賃貸したケース

空き家を賃貸して失敗するケースがあります。それは、空き家への入居審査をきちんとしなかった場合に起こりがちです。空き家の賃貸に失敗したGさんの事例だと、Gさんは要らない空き家をもてあましていたので、空き家バンクに登録して空き家の賃借人を探しました。

空き家を借りたいという外国人の方が見つかったので、特に何の調査もせずにそのまま契約をして、空き家を貸し出しました。しばらくの間は特に問題もなさそうだったので、Gさんは特に気にすることもありませんでしたが、空き家の周囲の人から「近頃あの家の周りで深夜まで騒がしい」「ゴミが散らかされている」などの苦情が届くようになりました。

しかも、最終的にはその空き家に入居していた外国人が、空き家を拠点にしてグループで違法な薬物の売買をしていたということがわかり、逮捕されてしまったのです。このことによって、Gさんまで犯罪への関与が疑われて大変な目に遭いました。

空き家を賃貸する際には、きちんと入居者の審査をしないと失敗することがあるので注意が必要です。

失敗事例2 空き家を売却したケース

Hさんは今住んでいる場所から遠く離れた地方に実家がありましたが、父親が亡くなってその家を相続しました。しばらくすると、不動産屋から物件の買い取りの勧誘が届きました。

Hさんはその実家に住むつもりもありませんでしたし、賃貸などの管理をするのも面倒なので、不動産屋に言われるままに物件を買い取ってもらいました。その際の売却価格についても、特に相場を調べるなどして検討することはありませんでした。

後日判明したのですが、そのあたりの土地は賃貸の需要が高く、値上がりの可能性が高い場所だったのです。しかも、不動産屋が買い取った価格は、相場と比べてとても低いものでした。Hさんはきちんと事前に相場を調べなかったことによって、大損をしてしまいました。

失敗事例3 解体してアパート建築したケース

Iさんはもともと空き家を所有していましたが、誰も修繕管理をしないため、家は相当傷んでいました。そこに不動産屋が「空き家を解体してアパートを建てると良い」と言ってきたので、不動産屋に言われるままに空き家を解体してアパートを建てました。

アパート建築の際のローンは、アパートの賃料から支払えるという話でしたが、実際にアパートが建ってみると、そこはたいして賃貸の需要がない場所でした。アパート建築後もほとんど入居者が見つからず、毎月のローンばかりがかさむ状態で、困った事態に追い込まれてしまいました。

今は必死で別の現金収入をもってローンを支払っています。生活は以前と比べて非常に厳しくなり、Iさんは考えなしに空き家を解体し、アパートを建ててしまったことに大変後悔しています。

失敗事例4 解体費用でトラブルになったケース

必要のない空き家を所有している場合、空き家を解体することは多いです。解体して更地にすれば、駐車場などにすることもできますし、新たに建物を建てて活用することもできるからです。しかし、この解体費用のことでトラブルになるケースがあります。

Jさんは空き家が建っている広い土地を持っていました。土地を有効活用するために空き家を解体しようとして、解体業者に解体を依頼しました。その際、見積書を出してもらいましたが、解体作業が進んでくると、業者からさらに追加費用を請求されてしまいました。

当初聞いていなかった費用なのでおかしいと伝えると、業者は「実際に公示に取り組んでみないとわからない障害物があった。」「もう取り除いたので、今その状態を確認することはできない。」「工事自体はしたのだから、費用を支払ってもらわないと困る。契約違反だ。」などと責め立てられ、結局は費用を支払うことになってしまいました。

空き家の解体をする場合には、信頼できる業者を探して依頼しないと失敗するおそれがあるので注意が必要です。

失敗事例5 相続人に多額の借金を残したケース

Kさんは、もともと空き家と広大な敷地を持っていましたが、全く活用していなかったので、不動産屋に勧誘され、空き家を取り壊して賃貸集合住宅を建てることにしました。解体費用や住居建築費用については、ローンにして賃貸収入から支払う予定でした。

ところが、思ったより多額の建築費用がかさみ、ローン返済額が高額になってしまいました。さらに、Kさんはマンション建築後まもなく死亡してしまったので、相続人らに多額のローン負担が残る結果になってしまいました。

Kさんが急に亡くなったので、相続人らも相続放棄をする余裕がなく、今も多額のローン負担に苦しんでいます。空き家の活用に失敗すると、自分ばかりか相続人らにまで不利益を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。

3.空き家活用に支給される補助金

空き家を有効活用するといろいろなメリットがありますが、空き家を修繕したり、解体したりするためには費用がかかるため、空き家の活用に躊躇してしまうこともあります。

そういった時、空き家活用の際に支給される補助金制度を利用すると、空き家活用の負担を軽くすることができます。

空き家活用のための資金補助制度は、その正式名称を「住宅セーフティネット整備推進事業」と言います。これは、空き家の改修工事の費用の一部を国が補助してくれる制度で、平成26年(2014年)に開始された比較的新しい制度です。

①補助金を受ける要件

住宅セーフティネットによる補助を受けるためには、次の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 3ヶ月以上の空き室であること
  2. 床面積が25平方メートル以上の物件であること
  3. 最初の入居者は住宅確保要配慮者(*)とすること
  4. 耐震改修工事、バリアフリー改修工事、省エネルギー改修工事などの対象となる種類の工事であること

*住宅確保要配慮者とは、高齢者世帯や障がい者世帯、子育て世帯、所得が214,000円(月)を越えない世帯のことです。

②補助金の金額

住宅セーフティネットによる補助率は工事費用の3分の1です。補助を受けられる限度額は、100万円×空き室の戸数の金額までとなります。

たとえばリフォーム費用が1200万円、空き室が3部屋ある物件の場合には、3分の1の費用は「1200万円×3分の1=400万円」です。

しかし、限度額があるので、実際には「100万円×3=300万円」までの補助が受けられることになります。もし4部屋ある場合には、「100万円×4=400万円」が限度額になるので、400万円の補助が受けられることになります。

③補助金申請の方法

住宅セーフティネットに関する詳細や申し込み方法については、事務局のホームページで確認や書式をダウンロードすることが可能です。

住宅セーフティネットによる補助金申請の際には、いろいろな書類を提出する必要があります。たとえば、応募・交付申請書、賃貸住宅の管理に関する誓約書、工事計画書、補助対象工事費内訳書、空家等証明書、耐震性能証明書、改修工事等証明書、改修工事箇所の写真、所得確認書などの書類が必要になります。

これらの必要書類やその記載方法なども、事務局のサイトに説明や記入例があるので、参照して利用しましょう。

>> 住宅セーフティネットへ

4.空き家の4つの活用方法

空き家活用の事例はご紹介しましたが、実際にはどんな方法で空き家を有効活用することができるのでしょうか。主に4つの方法がありますので、1つずつご紹介していきます。

活用方法1 売却

空き家を売却すると、空き家の管理や修繕などの手間をかける必要が無くなりますし、固定資産税の支払いからも解放されるというメリットがあります。実際に、多くの人が空き家を売却し、現金に換える方法で活用をしています。

空き家の売却には、空き家をそのまま売却する方法と、空き家を解体して売却する方法があります。詳しくは「空き家を高く売却する賢い方法と3000万円の税金特別控除」でお伝えしていますので、合わせて確認してみてください。

>> 「空き家を高く売却する賢い方法と3000万円の税金特別控除」へ

活用方法2 賃貸

空き家を賃貸する場合には、地方への移住希望者に賃貸したりシェアハウスにしたりなどいくつものパターンがあり、それぞれの状況に応じた活用方法を利用できます。

賃貸に出すと毎月定期的に賃料収入を得ることができるため、現金収入の少ない田舎暮らしでは大きな助けになることもあります。また、賃料収入があると固定資産税の支払いの心配をする必要もなくなるので、メリットは大きいです。

なお、賃貸に出す際、そのままの空き家を賃貸するのではなく、集合住宅に建て替えて賃貸する方法もあります。その地域での賃貸物件の需要が高い場合、賃貸集合住宅を作って賃貸に出すと、毎月大きな収入を得ることができます。賃貸戸建を建てた場合、人気が高いため、いざ売却する際にも売れやすいという利点もあります。

活用方法3 リフォーム

賃貸戸建ては人気があるので、きれいにリフォームされていると賃借人を見つけやすくなります。建物は長く使わない状態が続くと傷みが酷くなってしまいますので、空き家を賃貸するにしても、リフォームが必要になることは多くあります。

ただし、リフォームするには費用がかかります。リフォームに費用をかけすぎると、その後賃貸に出しても採算がとれなくなってしまいますので、空き家をリフォームする場合には、なるべく安い費用で空き家を復活させる工夫をすると良いでしょう。

戸建て住宅を賃貸のためにリフォームする場合には、新築に近い状態まで回復させる必要はありません。キッチンやお風呂、トイレなどの水回りや、ドアノブ、スイッチなどの手で触る部分を重点的にリフォームしましょう。入居者のニーズに合わせてリフォームしたり、借主負担型DIYを利用する方法もあります。

活用方法4 解体

空き家を解体すると土地が更地になるため、土地を有効活用しやすくなります。たとえば、駐車場などにして賃貸することもできますし、新たに賃貸住宅を建築して収益を得ることも可能です。

いざお金が必要になった場合などに、土地を更地として売却することもできます。土地上に空き家が建っている場合よりも、高額な値段で土地を売却することができるので、建物を解体しておくとメリットがあります。

空き家を解体すると、空き家所有に基づくデメリットやリスクから解放されることも見逃せないメリットです。空き家を所有していると、それだけで毎年固定資産税がかかります。空き家が傷まないように修繕したり、活用するために人に賃貸することを考えないと行けませんが、このように空き家に煩わされることも手間になります。

傷みの酷い空き家を所有している場合には、特定空き家に指定され、高額な固定資産税を支払わなければならなくなる可能性もあります。空き家を解体してしまえば、これらの空き家所有の責任から解放されます。

ただし、空き家を解体する場合には、かかる費用に注意が必要です。解体業者を上手に選ばないと高額な解体費用を支払わされたり、解体業者とトラブルになってしまうおそれがあるからです。

建物の解体費用はその物件の場所や構造、規模などによって大きく異なってきますので、解体業者を選ぶ際には複数業者の見積もりをとって比較することが重要です。自治体によっては空き家の解体費用に補助金を出してくれるところもあるので、自治体に補助金制度がないかどうかも問い合わせるようにしましょう。

5.まとめ

空き家活用方法には売却、賃貸、リフォーム、解体による方法がありますが、それぞれについてメリットデメリットがあるので、どの方法が良いかを適切に選択する必要があります。成功事例や失敗事例を参考にしていただき、空き家を有効活用していただけばと思います。

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