マンション売却にかかる税金と税金を減らせる4つの特別控除

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マンション売却

マンションなどの不動産を売却すると、税金がかかることがありますが、マンションを売却したからと言って、必ず税金がかかるとは限りません。

マンションを売却しても、税金がかかる場合とかからない場合があります。

具体的にどのようなケースで税金がかかり、どのようなケースではかからないのでしょうか。

この記事では、マンション売却で税金がかかる人やかからない人、マンション売却の際にかかる税金を減らす方法などについてまとめました。

マイホームなどのためにマンションを購入することは多いですが、手狭になってしまったり、子どもができて家族構成が変わったなどの事情でマンションを買い換える方は多くいらっしゃいます。

マンション売却で大きな不利益を被らないためにも、税金について確認していきましょう。

1.マンション売却で税金がかかる人

マンション売却の際に利益があった場合、税金がかかります。利益があったというのは、基本的に「買ったときよりも高く売れた」場合になります。

マンション売却の税金

マンション売却の際にかかる主な税金は譲渡所得税です。譲渡所得税とは、マンションなどの不動産を売却したとき、購入したときの費用よりも高く売れた場合に、その利益分に応じてかかってくる税金のことです。

譲渡所得税がかかるかどうかについての計算式は次の通りです。

不動産売却価格-(不動産の購入価格+不動産取得費用+不動産売却費用)

これがプラスになった場合には、基本的に譲渡所得税が課税されます。

なお、不動産取得費用とは、不動産の取得の際に支払った仲介手数料や登録免許税、印紙代、不動産取得税や登記費用などでで、不動産売却費用とは不動産の売却の際に支払った仲介手数料や印紙代、広告費用などです。

例を挙げると、たとえば2,000万円でマンションを購入したとします。その後不動産の価値が上昇し、売却時には3,000万円で売れた場合には、3,000万円から2,000万円を引きます。

そこからさらに、取得や売却のためにかかった費用を差し引き、それでもまだ余りがあれば、それが利益とみなされ、その利益分に対して課税されます。

このように、マンション売却の場合には、基本的に買った時よりも高く売れた場合に税金がかかります。

2.マンション売却で税金がかからない人

マンションを売却した場合に、税金がかからないケースもあります。具体的にどのような場合、税金がかからないのでしょうか。主な4つのケースをご紹介します。

税金

なお、マンション売却で税金がかからない場合でも確定申告は必要です。マンション売却をすると、不動産の所有名義を書き換えることになります。すると税務署は、基本的に税金の確定申告を求めてきます。

もし確定申告せずに放置していると、申告するように税務署から督促を受けることがあります。後ほどご紹介する損益通算や繰越控除のためにも、確定申告をしておく必要があります。

マンション売却時に損失が出て税金がかからないケースでも、確定申告は必要になりますので覚えておきましょう。

ケース1 マイホームの控除

マンションを売却して利益が出たとしても、常に税金がかかるわけではありません。実際には、居住用不動産にはさまざまな特例控除が認められるので、そのマンションがマイホームだった場合には、譲渡所得税の支払いが不要にケースは多くあります。

買ったときよりも高く売れたからと言って、必ずしも税金を支払わなければならないわけではないので注意しましょう。

ケース2 買ったときより安く売った

マンションを買ったときよりも安く売った、もしくは安くしか売れなかった場合、税金はかかりません。

ケース3 譲渡所得税の計算でマイナスになった

譲渡所得税の計算式でマイナスになる場合には課税されません。計算式は次の通です。

不動産売却価格-(不動産の購入価格+不動産取得費用+不動産売却費用)

譲渡所得税の計算は、売れた金額から買った金額と、さらにそのマンションを買ったときにかかった取得費用や、売却の際にかかった費用を差し引くことができます。

単純に買った金額と売れた金額を比較すると、買った金額の方が高い場合であっても、売れた金額から不動産の取得費用や売却費用を差し引くとマイナスになる場合も、やはり譲渡所得税はかかりません。

ケース4 損益通算(繰越控除)でマイナスになった

損益通算(繰越控除)するケースは、マンション売却の際に税金がかかりません。過去3年以内に不動産を売却して損失が出ている場合、その損失分を繰り越して、後に出た利益分から控除することができます。

マンションを売却して利益が出たとしても、その前3年以内に不動産を売却して損失が出ていた場合には、その損失分を差し引いてマイナスになると、税金を支払わなくてよくなります。

3.税金を減らすことができる4つの特別控除

マンション売却の際に適用される特別控除を使うと、税金の支払いを減らすことができます。具体的にどのような特別控除があるのかについて見てみましょう。

家族団らん

その1 居住用不動産の3,000万円特別控除

マンション売却の際に適用される特別控除として代表的なものに、居住用不動産に適用される3,000万円分の特別控除があります。

マンション売却の際、売却金額から取得金額、諸費用を差し引いても利益が出ていて、基本的に譲渡所得税を支払わないといけない場合であっても、その譲渡益が3,000万円未満の場合には、譲渡所得税が課税されないという特例です。

この特例を受けるためには、いくつかの要件が必要になります。その要件を5つご紹介します。

①居住用の自宅を売却すること

3,000万円の特別控除が受けられる場合は、現在居住用に利用している自宅を売却した場合に限られます。よって、収益用物件の売却などの場合には、3,000万円控除の特例は利用できません。

②3年以内に特例を利用していないこと

そのマンションを売却する年の前年や前々年に、居住用不動産の3,000万円特別控除や、居住用不動産の譲渡損失の繰越控除をしていないことが必要です。3年以内にこれらの特例を利用していると、再度3,000万円の控除の特例を受けることはできません。

③住宅ローン控除を受けていないこと

住宅ローン控除を受けている場合にも、3,000万円控除の特例を受けることができません。

④親族ではないこと

売手と買手の関係についても制限があります。具体的には親子や夫婦、生計をともにしている親族でないことが必要です。居住用不動産の3,000万円の特別控除を利用すると、たとえば不動産を売却した場合に2,000万円の利益が出ていたとしても、譲渡所得税が課税されることはありません。

⑤確定申告をすること

3,000万円の特別控除を受けるには、きちんと確定申告することが必要です。

その2 居住用不動産の軽減税率

マンション売却をした場合、軽減税率を適用してもらうことができるケースがあります。軽減税率とは、一定の要件を満たす場合に譲渡所得税の税率を減らしてもらうことです。具体的には居住用の不動産を売却した場合に適用されます。

軽減税率の適用を受けると、課税譲渡所得が次のようになります。

  • 6,000万円以下の部分については税率が14%(所得税10%+住民税4%)
  • 6,000万円超の部分については税率が20%(所得税15%+住民税5%)

軽減税率の適用を受けるには、そのマンションを売却した年の1月1日時点において、そのマンションを10年以上所有していないとなりません。さらに、居住用の不動産であることや3年以内に他の特別控除を受けていないこと、売り主と買い主の関係が配偶者や親子、生計を共にしている親族でないことなども必要になります。

その3 居住用不動産の買い換え特例

居住用のマンションを売却する際には、新たに不動産を購入して買い換えることがあります。この場合も税金に関して特例があります。

具体的には、売却する居住用のマンションAの売却益にかかった譲渡所得税の支払いを、新たに購入した不動産Bを売却するときまで、繰り延べることができるというものです。新たに購入した不動産Bを売却した際に出た利益分を合計して、譲渡所得税の支払いをすることができます。

例を挙げると、たとえば今回マンションAを売却して4,000万円の利益が出たとします。原則としてはその4,000万円分に対して譲渡所得税が課税されるはずです。しかし、新たにマンションBを購入して買い換えた場合には、その新しいマンションBの売却時まで、今回の税金支払いは繰り延べることができます。

新たなマンションBの売却の際に1,000万円の利益が出たら、その時点でマンションAの利益分の4,000万円も足して、5,000万円分の利益に対する譲渡所得税が課税されることになります。よって、マンションAの売却の際には、譲渡所得税の支払いは不要になるという特例です。

その4 損益通算と繰越控除

先にお話ししたように、損益通算と繰越控除でも税金を減らすことができます。たとえば、居住用の不動産を売却して新たに買い換えをした場合、もし損失が出ていれば、給与所得や事業所得からの差し引きが可能です。これを損益通算と言います。これにより、給与所得税や事業所得税の税額を減らすことができます。

また、住宅ローンの残っている不動産を売却して損失が出た場合にも、同様に他の給与所得や事業所得から差し引きをして、所得税を減らすことが可能です。

同じ年度で損益通算を使い切れない場合には、以後3年間繰り越して控除を受けることができます。これを繰越控除と言います。

損益通算や繰越控除を利用するための要件は、居住用の不動産であることや3年以内に他の特別控除を受けていないこと。また、親族などとの間の売買ではないことなども必要です。

買い換えではなく、単なる売却によって損益通算や繰越控除を受ける場合には、10年以上の契約にもとづく住宅ローンが残っていることも必要になります。

4.不動産売却後に支払う必要がある税金

不動産売却の後にかかる税金の種類をまとめてみます。

不動産売却後の税金

その1 譲渡所得税

譲渡所得税は、不動産を売却した際に、購入価格と取得費用、売却費用を差し引いても利益が出た場合に、その利益分に対して課税される所得税のことです。譲渡所得税の税率は、短期譲渡(所有期間が5年以内)の場合には30%、長期譲渡(所有期間が5年を超える)の場合には20%です。軽減税率が適用される場合には10%~15%になります。

その2 住民税

不動産を売却した場合には住民税もかかります。住民税がかかる場合は、不動産の譲渡所得税がかかる場合と同じです。よって、不動産売却によって利益が出た場合にだけ課税されるものであり、損失が出た場合には支払の必要はありません。

不動産を売却して利益が出ると、譲渡所得税について確定申告をしなければなりません。すると、その確定申告の内容に応じて、後日住民税が課税されることになります。住民税の税率は短期譲渡の場合には9%、長期譲渡の場合には5%です。軽減税率の適用を受けた場合には4~5%になります。

その3 消費税

不動産を売却する際には消費税がかかることがあります。マンションなどの建物の場合には、消費税の課税対象となるからです。

ただし、個人の居住用マンションの場合には消費税の課税はありません。個人の所有であっても、事業用や収益用の物件などの場合には、消費税が課税されることになるので、その点は注意してください。

なお、不動産屋に対する仲介手数料の計算の場合、消費税抜きの価格を基準にします。具体的には「売却価格(消費税抜き)×3%×1.08」が仲介手数料の金額になります。消費税込みの金額×3%ではないので注意しましょう。

その4 印紙税

不動産売却の際には印紙税もかかります。印紙税とは、売買契約書などの契約書に貼付しなければならない印紙のことです。その売買の目的価格によって、貼付すべき印紙税の価格が異なってきます。たとえば、1,000万円を超えて5,000万円以下の不動産売買契約書の場合には、1万円の印紙税が必要になります。

5.譲渡所得の確定申告

不動産を売却した場合には、譲渡所得の確定申告をしなければなりません。確定申告をしないと、税務署から申告をするように督促が来てしまいますし、高額な延滞税が課税されることもあります。

譲渡所得の確定申告

①譲渡所得の確定申告に必要な書類

譲渡所得の確定申告にはこれらの書類が必要です。

  • 確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表(分離課税用))
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】

これらを取得して必要事項を記入し、譲渡所得税を計算します。税務署から取り寄せる書類については、国税庁のホームページからダウンロードして計算することができるので利用すると便利です。

>> 国税庁ホームページ

自分で準備する書類もあります。譲渡所得税の確定申告の際には、売却した不動産に関連する書類の提出が必要になります(コピーでも可)。

まずは除票住民票が必要です。これはマンションの売却後2ヶ月が経過してから発行されたものが必要になるので注意しましょう。

また、マンション取得時の書類として、マンション売却時の書類として、売買契約書と領収証、仲介手数料の領収証、測量費・登記費用やその他の売却の時の費用の領収証、売却後のマンションの全部事項証明書などが必要になります。

②譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税を計算するには、以下の計算式を用います。

「譲渡所得税=課税譲渡所得☓譲渡所得税の税率」

譲渡所得税の税率については、短期譲渡(所有期間が5年以内)の場合には30%、長期譲渡(所有期間が5年を超える)の場合には20%となります。軽減税率が適用される場合には10%~15%になります。

6.譲渡損失が出た場合の確定申告

マンションを売却した場合には、譲渡損失が出ることがあります。譲渡損失とは、マンションを売却した金額がマンション取得金額と費用よりも低い場合に出る損失のことです。

たとえば、マンションを売却しても購入した際の価格より低い金額でしか売れなかったケースに、譲渡損失があると言えます。譲渡損失が出た場合であっても、確定申告はしないといけません。確定申告しないと税務署から申告をするように督促されてしまいます。

また、確定申告をしないと損益通算や繰越控除などの制度を利用することもできません。これらの控除を受けるためには確定申告が必要になります。譲渡損失が出た場合にも必ず確定申告をしましょう。

譲渡損失が出た場合の必要書類も、譲渡所得があった場合とほとんど同じです。まずは、税務署から入手する次の申請書類が必要です。

  • 確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表(分離課税用))
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】

譲渡損失が出ている場合には、これらに加えて次の書類も必要になります。

  • 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)
  • 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)

これらの書類は損益通算をしたり、繰越控除を受けるための書類です。必要事項を記入していけば、収支がマイナスになっていて損失が出ていることが明らかになります。

次に自分で準備する書類もあります。譲渡所得税の確定申告の際には、売却した不動産に関連する書類の提出が必要になります(コピーでも可)。

まずは、除票住民票が必要です。これは、マンションの売却後2ヶ月が経過してから発行されたものが必要になるので注意しましょう。

また、マンション取得時の書類として、売買契約書と領収証、仲介手数料の領収証、測量費・登記費用やその他の売却の時の費用の領収証、売却後のマンションの全部事項証明書などが必要になります。

7.確定申告の流れ

マンションを売却した場合の確定申告の流れはどのようになるのでしょうか。確定申告の時期や納税の流れについて説明します。

確定申告

①確定申告の時期

確定申告の時期は、マンションを売却した翌年の2月16日~3月15日の間です。この間に税務署に行って確定申告書を提出しなければなりません。なお、提出期限が土・日・祝日のときはその翌日が期限になります。

マンションを売却した場合には、早めに申請書を記入して、提出する資料のコピーを準備しておきましょう。マンションを売却して年が明けたら、確定申告の準備を始めると良いでしょう。

②納税の時期

マンションを売却した翌年に確定申告を済ませたら、譲渡所得が発生している場合には、すぐに譲渡所得税を納税する必要があります。確定申告の際に納めるべき税金の額が明らかになっているはずなので、その金額を銀行などで納税すれば、確定申告の手続は終了します。

確定申告をするだけして、実際の納税をしないと延滞状態になってしまうので注意しましょう。

なお、このときの譲渡益に応じて、後日住民税が請求されることになります。住民税はその年の5月頃に納付書が送られてくるので、その用紙を使って支払をしましょう。住民税については一括納付もできますし、年4回の分割払いにすることもできます。

8.確定申告を自分でしたくないとき

マンションを売却した場合には、上記のとおり確定申告が必要です。譲渡所得があった場合だけではなく、譲渡損失があった場合にも同様に確定申告しなければなりません。

しかし、確定申告の作業は非常に面倒です。たくさんの書類に記入が必要になりますし、計算も面倒です。計算を間違ってしまうと、税金の金額も異なってくるので、正確に計算する必要もあります。

さらに必要書類の種類や数も多く、自分で対応するのが大変だと感じる人もたくさんいます。確定申告ができる時期は約1ヶ月ですが、仕事が忙しいなどの事情で自分で対応することが困難なケースもあるでしょう。

確定申告を自分でするのが困難な場合には、税理士に手続を依頼することが可能です。税理士は税金関係の専門家なので、マンション売却の際の確定申告手続も代行してくれます。

税理士に依頼すれば、面倒な確定申告書の記入や計算はすべて行ってくれますし、計算を間違えることもありません。必要書類についても的確にアドバイスしてくれるので、それに従って集めていけば問題はありません。

税理士

忙しくて確定申告の時間が取れない場合も、税理士がすべて代わりに手続きをしてくれるので非常に楽です。

ただし、税理士に確定申告を依頼すると、その費用はかかります。だいたい5万円程度が確定申告を丸投げした場合の相場になっています。

確定申告が面倒な場合には、かかる費用と手間を比較して、どちらが自分にとってメリットがあるかを良く検討してから、税理士に依頼すると良いでしょう。

9.まとめ

マンションを売却すると、譲渡所得が発生した場合でも、譲渡損失が発生した場合でも、確定申告をしなければなりません。

今回の記事を参考にして、マンション売却にかかる税金をできるだけ節約し、スムーズに確定申告手続を済ませてしまいましょう。

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