リバースモーゲージとは|売却との違いとメリット・デメリットまとめ

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不動産

65歳以上が全体の25%を超えるという高齢化が進行する一方で、これらの人達が安定した生活を送るための公的なサポートである年金制度の先行きは不透明な状況となっています。

さらに、介護や医療も破綻しつつあると伝えられており、公的な制度だけを頼りにするのは、非常にリスキーです。このために、豊かな暮らしを続けるためには個人個人での工夫が必要となっています。そんな中で注目を集めているのが、リバースモーゲージ(Reverse mortgage)という制度です。

これからこのリバースモーゲージのメリットやデメリット、住宅ローンとの違いなどについて紹介しながら、全体的な概要について検証していきます。

1.リバースモーゲージとは

リバースモーゲージは、住宅や土地等を担保物件として融資を受け取り、死亡などで契約を完了した際には、処分することで返済するという制度です。不動産を所有している高齢者世帯が、住まいを手放すことなく収入を確保できるということで、メガバンクも参入するなど注目を集めています。

このリバースモーゲージは1960年代にアメリカでスタートした制度で、日本でも今から30年以上前の1980年代の前半には既に導入されていました。ただし、自分の子孫に不動産を継承させたいという伝統的な価値観が障害となり、活用されることはほとんどありませんでした。

しかし、最初に述べたように高齢者を取り巻く状況が深刻化したために、背に腹は代えられないということで近年になり急速に脚光を集めています。2002年度には厚生労働省が全国規模で導入すると発表しており、公的なサポートも進められている状況です。

2.リバースモーゲージと売却との違い

現金収入がおぼつかない高齢者が生活資金を確保するための方法として、最も確実なのが保有している不動産の売却です。リバースモーゲージも最終的には自宅を売却するのですが、契約期間中は住み続けられるということを特徴としています。

これは自宅に住み続けるために、自宅を担保に老後の資金を借りるという仕組みによるものです。このために、不動産売却よりも住宅ローンとの類似性が高くなっています。

3.リバースモーゲージと住宅ローンとの違い

リバースモーゲージは、自宅を担保にするという点においては住宅ローンと同じですが、Reverse(逆)という名前が示している様に、時間が経過するごとに逆方向へと進むことになります。

つまり、住宅ローンは毎月ローンを返済していくので債務残高は時間の経過に伴い減少していきますが、リバースモーゲージの場合は仕組み的には債務残高は増えていくことになります。

このために、状況によっては生きているうちに極度額に達してしまったり、これ以上借入できなくなるというケースも起こりえます。それでは、これからリバースモーゲージのメリットとデメリットについて見ていくことにしましょう。

4.リバースモーゲージの3つのメリット

リバースモーゲージは、公的機関がサポートしている様に、圧倒的にメリットが多いということを特徴としています。何よりも一定の条件さえクリアすれば、生涯にわたって自宅に住み続けられるという点は魅力です。

メリット1 地元でずっと暮らせる

勝手知ったる地元で生活できるということは、クオリティーオブライフという点で非常に値打ちがあります。これはお金では変えられない値打ちであり、他の商品との決定的な違いです。

メリット2 収入審査が無い

リバースモーゲージは担保を前提としているということで、審査で収入が問われることはありません。つまり、全くの無収入であっても利用できるということになります。

メリット3 年齢制限が無い

金融商品の大部分は、年齢制限が課せられているのが一般的です。商品ごとに上限は異なっていますが、70歳を超えると借入はかなり難しくなります。ところがリバースモーゲージでは、この様な年齢制限はありません。基本的には死亡するまで融資を受けることが可能です。

5.リバースモーゲージの3つのデメリット

この様にメリットだけが目に付くリバースモーゲージですが、リスクが何もないというわけではありません。それらのリスクやデメリットについて、考えていくことにしましょう。

デメリット1 金利が上昇した場合のリスク

リバースモーゲージの内容は、提供している業者ごとに様々ですが、契約締結から完了するまで金利が固定されているケースは稀で、変動するタイプが一般的です。このため途中で金利が上昇した場合は、利息の負担は大きくなってしまいます。

デメリット2 担保物件の値打ちが低下した時のリスク

変動金利タイプが一般的ということで、契約内容については随時見直しが行われることになります。このために、金利の上昇以外にも状況が変動するファクターがあります。

例えば、不動産価格が低下した場合は、当然担保としている自宅の値打も下がってしまいます。これに伴い、融資額が減少することになります。また、限度額一杯まで利用している様な場合は、途中で返済の必要が生じるケースもあります。

デメリット3 長生きした時のリスク

リバースモーゲージは前述したように、逆住宅ローンの様な性格の商品で、期間が経過するごとに債務残高は増加していきます。ただし自宅の担保価値が上限であり、これを超えた金額の借入はできません。

このために、長生きした場合は融資を打ち切られる可能性があるということで、必ずしも一生涯完全に安心できるわけではありません。

6.リバースモーゲージを利用するときの注意点

リバースモーゲージは、高齢者にとっては非常に魅力的ですが、子孫に家を残すという価値観にはそぐわない内容です。これが80年代の前半に導入されていたにもかかわらず、当時は広まらなかった歳代の理由です。

まず、リバースモーゲージを利用すると、極端に言えば1日ごとに自宅の資産価値は目減りしていくことになり、死後には返済のために売却されてしまいます。つまり、相続財産としての値打ちは、ほとんどなくなるということになります。

このため、相続する側からするとメリットは何もないということで、反対されるケースも十分に考えられます。トラブルを避けるためには、利用する前に相続人の同意を得ておくことが必要となります。

7.まとめ

リバースモーゲージは、安定したセカンドライフを過ごすために、収入が少ない高齢者に向けられた商品です。自宅を担保にして融資を受けるという仕組みで、無担保の金融商品よりも有利な条件が設定されています。

具体的には、低金利で利用できるうえに保証人は不要です。また、毎月の利息は借入残高に組み入れられるという形式で、月々の返済は原則不要です。これは、死亡した時に自宅の売却により清算されるという仕組みとなっているからです。なお、配偶者がいる場合は引き継ぎ可能という様に、柔軟性が高いということも魅力です。

ただし、途中でも述べた様に、利用するうえでのリスクが何もないというわけではありません。特に、伝統的な価値観とはぶつかる部分も多いので、事前に周囲の合意を得ておくということが重要なポイントとなります。

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