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不動産の相続税対策で最も有効な物件と7つの節税対策

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節税対策

相続した財産の額が大きい場合には、多額の相続税がかかるケースがあります。このような場合、相続税を節税する必要性が高いです。

相続する財産の種類には、現金や預貯金、生命保険や不動産などいろいろありますが、相続税の節税のために不動産を活用する方法があります。上手に不動産を活用して相続税を節税するには、どのような方法があるのでしょうか。

このことを知っているのと知らないのとでは、支払う相続税の金額が大きく変わってくるので、不動産による節税方法を知っておいたほうが良いです。

そこで今回は、不動産を相続する際の相続税節税対策と注意点について解説します。

1.相続税対策で最も有効な不動産物件

相続した場合に相続財産が多額な場合には、相続税の支払いが大きな負担になってしまうため、相続税対策をしなければなりません。相続税対策で有効な不動産物件にはどのようなものがあるのでしょうか。

近年注目を浴びてきたのが、タワーマンションによる相続税対策です。タワーマンションとは、都心にある高層階のマンションのことです。タワーマンションを所有している場合には、現金で所有している場合よりも大きく相続税評価額が減少することがあります。

不動産は時価ではなく、路線価や固定資産税評価額で相続税が評価されます。タワーマンションは高層マンションのため、戸数が多くなり、1人あたりの土地の持ち分割合が少なくなります。このことにより、土地の持ち分の相続税評価がかなり低くなります。

また、タワーマンションの時価は高層階になるほど上がることが普通ですが、建物の固定資産税評価額は低層階でも高層階でも同じです。高額な高層階の部屋を所有していると、時価よりもかなり低い相続税評価となるため、相続税対策ができます。

ただし、近年行き過ぎたタワーマンションによる節税が問題になっており、被相続人の死亡の前後だけタワーマンションを購入したという、相続税逃れをはかった事案で、相続税評価を国税庁の通達ではなく時価で行われたケース(判例)などもありました。

国税庁もタワーマンションを使った行き過ぎた相続税の節税事案では、監視を強化していくという方針も発表しています。タワーマンションを利用した節税を行うなら、これらの動向を見ながら、「相続税逃れのため」と言われないように慎重に対処する必要があります。

2.不動産を活用した7つの相続税節税対策

不動産を賢く利用すると、効果的に相続税の節税を行うことができます。不動産を利用した相続税の節税対策方法を見てみましょう。

節税対策1 不動産売却による節税

不動産を売却することによって相続税を節税する場合、現金より不動産の方が相続税節税効果が高いことを理解しておく必要があります。不動産の場合には相続税評価が時価にならないからです。(現金や預貯金の場合にはそのままの時価が評価額になります)

土地については路線価による評価になりますし、建物については固定資産税評価額になります。路線価を利用した評価額は時価の8割程度の価格ですし、固定資産税評価は時価の7割程度の価格になります。

居住用の不動産や賃貸用の不動産については、小規模宅地の特例といって、50~80%の減税が受けられます。小規模宅地の特例と言って、小規模の宅地の場合に相続税評価を50%~80%も下げられる特例もあります。

被相続人の死亡時に財産を所有する場合には、現金よりも不動産で所有している方が相続税の節税効果が高くなります。

そのため、被相続人の生前に不動産を売却して現金に換えてしまうと、相続税の節税効果は生まれないことになります。できれば、被相続人の死亡後に相続人が売却した方が節税効果があります。

不動産を所有している場合に相続税の節税効果を狙いたい場合には、不動産の売却のタイミングが重要になります。被相続人の生前ではなく、相続人が相続後に売却することによって、相続税の節税効果が生まれます。

なお、不動産がどのくらいの金額で売却できるかは、不動産の一括査定を利用すると事前に調べることができます。一括査定とは、複数の不動産業者に一括で不動産の売却査定を依頼できるサービスのことです。完全に無料で不動産査定が行えますし、複数業者に依頼できるので比較することもできます。

また、たくさんの不動産業者と提携しているサイトを利用すれば、自分の土地や建物の種類やエリアに対応した業者を探しやすく、良い不動産業者を見つけやすいメリットもあります。

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節税対策2 不動産購入による節税

財産は現金で所有しているよりも不動産で所有している方が節税効果が高くなります。もし被相続人が多額の現金資産を所有している場合には、そのままの形で所有するよりも不動産を購入して不動産の形にしてしまった方が、相続財産の相続税評価が下がることになります。

被相続人が生前に不動産を購入し、現金を不動産の形に替えることによって、大きく相続税節税効果を得ることができます。

節税対策3 マンションを購入して節税

相続税の節税のために不動産を購入する場合、マンションが節税効果が高いと言われています。これはタワーマンションによる節税方法と基本的に考え方は同じです。

マンションの相続税評価は、土地部分と建物部分とで分けて行われます。このとき、土地については路線価、建物部分については固定資産税評価額になります。マンションは各区分所有者との共有になりますので、マンション全体の価値を共有持ち分に応じて割り算することになります。

マンションの場合は戸数が多いので、自分の土地の持ち分が非常に少なくなり、土地部分の評価額がかなり抑えられることになります。

また、建物についても節税効果があります。そもそも建物の固定資産税評価額は時価よりかなり低くなっていますし、マンションは高層階でも低層階でも固定資産税評価額が一定なので、時価の高い高層階の部屋を所有していると、より相続税節税効果が高くなります。

このように、マンションを所有していると相続税の節税効果は高くなります。被相続人が生前に不動産を購入して相続税の節税をはかるなら、マンションを購入する方法はおすすめです。

節税対策4 不動産賃貸によって節税

相続税の節税を考える際に、不動産を賃貸する方法もおすすめです。たとえば土地上に賃貸アパートを建築して賃貸します。

この場合、現金を使ってアパートを建てるので、現金を減らして不動産に替えることができます。まずこの時点で節税が可能になります。

しかも、賃貸をする場合には不動産の評価自体が下がります。賃貸している建物部分については借家権割合分の評価が減額されますので、もともとの相続税評価額のだいたい7割くらいの評価額になります。

土地部分についても、借地権割合分と借家権割合分を考慮した分の評価が減額されますので、もともとの相続税評価額のだいたい8割くらいの評価額になります。

このように、賃貸アパートを経営していると大変な節税効果を得ることができます。被相続人が土地を所有している場合には、賃貸アパートを建築して経営するのも1つの有効な相続税対策方法です。

節税対策5 生前贈与によって節税

不動産を生前贈与することによって相続税の節税を行う場合、贈与税に注意する必要があります。ただ、不動産の生前贈与を行う場合には、大きく贈与税を控除してもらえる制度がありますので、これを利用すると相続税の節税をはかることが可能になります。

生前贈与は賢く利用すると非常に節税効果があります。

①暦年贈与による節税

生前贈与によって相続税を節税する方法としては、暦年贈与があります。基本的な贈与税の控除として、毎年110万円までは贈与税がかからないという基礎控除です。

不動産を毎年110万円分ずつ贈与していくと、贈与税を支払わずに不動産を生前贈与できます。この方法を暦年贈与と言います。ただし、毎年110万円までしか贈与ができないので、この方法は大きな財産の贈与には向きません。

②相続時精算課税制度を利用した節税

相続時精算課税制度を利用する方法もあります。相続時精算課税制度とは、2500万円までの財産を贈与した場合に、贈与税を無税にする方法です。

生前贈与の対象とした財産は、将来相続が起こった場合に相続財産にプラスされますが、全体として相続税支払いの必要がなければ、相続税の支払の必要もなくなります。

相続時に評価する場合の評価時期は、贈与時が基準になります。よって、贈与時から相続時までに不動産の価格が値上がりした場合などには、大きく相続税を節税することが可能になります。

相続税精算課税制度を利用した場合には、暦年贈与の方法を併用することはできません。どちらか1つの制度の利用を選ぶことになります。また、2500万円を超える生前贈与があった場合には、一律20%の税率で贈与税が課税されることになるので、注意が必要です。

③配偶者に対する贈与の特例を利用した節税

不動産の生前贈与には配偶者に対する贈与の場合の特例もあります。婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産や居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合に適用される特例です。

この場合には、贈与税の基礎控除である110万円のほかに、最高2,000万円までの控除を受けることができます。この制度を利用すれば、その分相続財産を減らせるので、相続税の節税効果は高いです。

節税対策6 借入による節税

借入金があるからといってそのまま相続税節税につながるわけではありません。借入金があっても、その分借り入れた現金が手元にあるので、それが資産評価されてしまうからです。

ただし、借入金によって不動産を購入することは、相続税の節税につながります。現金で資金を持っているよりも不動産で財産を所有している方が相続税の節税効果があるからです。

借入をしてその借入金で不動産を購入すれば、その分遺産の評価額を下げることが可能になります。同じ理由で、借入金を利用して不動産を建築する方法も有効です。

節税対策7 法人化による節税

不動産を所有している場合、不動産賃貸業を法人化することによって相続税を節税する方法があります。具体的には、不動産賃貸業を法人化して、相続人らをその法人の役員します。

不動産を所有している場合、それが個人所有であれば、当然その不動産が相続財産として相続税評価されます。しかし法人化していると、それは個人の財産とは異なるものになるので、相続税評価されません。このことにより、相続財産を減らして相続税を減らすことができます。

また、法人において相続人らを役員にすることにより、法人から相続人らに役員報酬を支払うことができます。役員報酬の出所は、当然不動産賃貸の家賃収入です。実質的には賃料収入を相続人らに生前贈与していることと同じなのですが、役員報酬という形で支払いをするため、贈与税がかからないのです。当然相続ではないので相続税もかかりません。

このように、不動産を所有して賃貸業を行っている場合には、その賃貸業を法人化して相続人ら(たとえば妻や子ども達)を役員にすることによって、大きく相続税の節税をすることができます。ただしこの場合、被相続人自身を役員に入れてはいけません。そうすると、死亡時に株式の相続などの問題が起こってしまうからです。

3.不動産の相続税・節税対策のシミュレーション

不動産を持っているとどのように相続税の節税効果があるのでしょうか。いくつかの事例を挙げて相続税節税対策のシミュレーションをしてみましょう。

その1 現金で1億円持っている

現金で1億円持っていて、何の相続対策もせず、そのまま現金で相続した場合を考えてみましょう。この場合には、1億円にそのまま課税されます。課税対象の相続財産が1億円の場合、単純計算で「1億円×0.3-700万円=2,300万円」の相続税がかかります。

その2 時価1億円・評価額4,000万円のマンションを持っている

現金で1億円持っていたところ、マンションを購入したとします。そのマンションの時価は1億円ですが、相続税評価額はこれとは異なります。マンションの土地部分の路線価による持ち分評価が2,000万円、建物部分の固定資産税評価が2,000万円としましょう。

この場合マンションの相続税課税の際の評価額は4,000万円となります。土地部分については小規模宅地の特例を受けることができます。具体的には、居住用に利用している場合には、土地部分の相続税評価を8割減にすることができますし、賃貸事業用に利用している場合には、土地部分の相続税評価を5割減にすることができます。

このケースでは、マンションは居住用とします。このケースで土地部分にかかる相続税は、「2,000万円×0.2=400万円」になります。建物の評価は2,000万円のままです。

マンションの評価額は土地部分の評価と建物部分の評価を合計して「400万円+2,000万円=2,400万円」になります。そして相続税の価格は、課税対象の相続財産が2,400万円の場合、「2,400万円×0.15-50万円=310万円」になります。

その3 時価1億円・評価額6,000万円の賃貸アパートを持っている

時価1億円、評価額6,000万円の賃貸アパートを所有している場合のシミュレーションをしましょう。この場合、土地部分の評価が3,000万円、建物部分の評価が3,000万円とします。

土地部分の評価は賃貸していることによって2割減になるので、土地部分の相続税評価は
「3,000万円×0.8=2,400万円」となります。さらに小規模宅地の特例を受けられるので、「2,400万円×0.5=1,200万円」が土地評価となります。

建物部分については、賃貸していることで3割減になるので「3,000万円×0.7=2,100万円」になります。賃貸アパートの土地と建物の合計評価額は「1,200万円+2,100万円=3,300万円」となり、課税対象の相続財産が3,300万円の場合の相続税の金額は「3,300万円×0.2-200万円=460万円」となります。

4.不動産で相続税対策するときの4つの注意点

不動産の形で相続をすると、非常に節税効果があります。ただ、不動産を相続する場合にはいろいろな注意点があります。

注意点1 共有状態を避ける

不動産を相続する場合には、その不動産を誰が相続するかを決めなければなりません。もしこのような遺産分割協議をきちんと行わない場合、不動産は共有状態になってしまいます。

共有状態になると、不動産を自由に処分することが難しくなります。たとえば賃貸や売却をするにも、共有者全員の同意が必要になります。このことによって、将来トラブルが発生する可能性が高まります。

不動産を相続するのであれば共有状態は避けるべきです。きちんと相続人間で遺産分割協議をするか、被相続人が遺言を残して誰か特定の相続人に不動産を相続させるようにしましょう。

また、不動産相続について遺産分割協議をする場合、相続人間で話し合いがうまくいかず、争いが発生してしまう場合もあるので、そのリスクにも注意する必要があります。

注意点2 固定資産税が発生する

不動産を相続して所有する場合、当然毎年固定資産税の支払いが発生します。もし相続した不動産を有効活用できていて、充分収益が見込めていたり、自分が居住している場合などには固定資産税を支払っても損になりませんが、不動産を放置して何ら有効活用していない場合には、無駄に固定資産税を支払うことは大変な負担になります。

固定資産税の金額は、年間数十万円になることもあります。不動産を相続すると固定資産税の支払いが発生することには注意が必要です。不動産を相続するなら、有効活用することを考えなければなりません。

注意点3 管理が必要

不動産を相続すると、不動産を放置しているわけにはいきません。放置していると不動産の価値がどんどん下がってしまいますし、建物などの場合には空き家が傷んで周囲に迷惑をかけてしまうことなどもあります。

このような事態を避けるには、不動産をきっちり管理する必要があります。傷みが出たら修繕も必要ですし、賃貸アパートを経営していたら賃借人を探したり賃料管理の必要もあります。このような不動産の管理には結構な手間がかかります。不動産を相続すると、その不動産の管理が必要になることにも注意が必要です。

注意点4 売却する手間がかかる

不動産を相続した場合、売却してしまう方法もあります。売却すれば、その後の固定資産税支払いや管理の問題は発生しません。しかし、売却そのものには結構な手間がかかります。

相場を調べて不動産仲介業者に仲介を依頼して、購入者を探さなければなりませんし、購入者との間で条件交渉をして、契約手続きをするなどの手間も必要になります。このような一連の作業が面倒になって、結局は売却を途中で辞めてしまい、不動産を放置してしまうことなどもあります。

また、きちんと相場を調べず、査定も適当にして売却することによって、損をしてしまうケースもあります。不動産を相続すると、売却する際にも手間がかかることには注意が必要です。

さらに、不動産を売却した際、取得費用より高額な価格で売れて利益が出ると、譲渡所得税が課税されますし、譲渡の際には不動産仲介手数料などの手数料がかかります。相続した不動産を売却すると、費用や税金もかかることにも注意が必要です。

5.不動産相続税の控除

不動産相続税には、どのような控除があるのでしょうか。不動産相続税の控除制度について、いくつかご紹介します。

その1 基礎控除

不動産に限りませんが、どのような相続財産を相続する場合にも、相続税には基礎控除が認められます。基礎控除があるので、一般的には相続税の支払いが発生しない事案が半数程度にはなると言われています。

基礎控除とは、遺産の評価額から当然差し引ける控除のことです。平成27年1月1日以降に適用される基礎控除は次のとおりです。

3,000万円+法定相続人×600万円

たとえば法定相続人が配偶者と子ども3人の場合には「3,000万円+3人×600万円=4,800万円」までは、基礎控除によって相続税がかからないことになります。不動産を所有していても、全体の遺産が基礎控除の範囲内であれば、相続税支払いの必要はありません。

その2 賃貸による控除

不動産を所有している場合、その不動産を賃貸に出していると大きく控除(相続税の評価減)が認められます。不動産の賃貸による控除(評価減)は、土地部分と建物部分によって異なります。

建物を賃貸している場合には、借家権割合と賃貸割合を差し引くことができます。だいたい借家権割合である0.3の割合を差し引くことになります。土地を賃貸している場合には、借地権割合を差し引くことになります。借地権割合は、その土地によって異なりますが、だいたい0.6~0.7程度です。

賃貸アパートの底地の場合には、借地権割合×借家権割合分を差し引くことができます。以上を前提に、具体例を確認してみましょう。

たとえば、2,000万円の建物を賃貸している場合には「2,000万円×(1-0.3)=1,400万円」の相続税評価額になります。2,000万円の土地の場合には「2,000万円×(1-0.6)=800万円」となります。

2,000万円の土地上に賃貸アパートが建っている場合には「2,000万円×(1-0.6×0.3)=1,640万円」が評価額になります。

その3 小規模宅地の特例

不動産を相続した場合の相続税の控除制度としては、小規模宅地の特例があります。小規模宅地の特例とは、宅地の面積と利用状況に応じて不動産の評価額を減額してもらえる制度のことです。

減額される割合については、対象の土地が居住用か事業用かによって異なりますし、事業の内容が賃貸かそれ以外かによっても異なります。

まず、居住用の土地については、その土地面積が330平方メートルまでは、相続税評価額の80%が減額されます。

事業用の土地については、その土地面積が400平方メートルまでは、相続税評価額の80%が減額されます。事業の内容が賃貸業である場合には、その土地が200平方メートルまでは相続税評価額の50%が減額されます。

この場合の「貸付事業」とは、「不動産貸付業」、「駐車場業」、「自転車駐車場業」や、それに類する行為です。賃貸によって継続的に相当の対価を得ている場合に貸付事業と認定されます。

6.不動産相続税の税率

不動産を相続する場合、大きく基礎控除が認められます。基礎控除を受けてもなお相続税の支払いが発生する場合に、次の表のとおりの税率によって不動産の相続税が計算されます。

【相続税の速算表】

各人の課税遺産総額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
1,000万円超 3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超 5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超
1億円以下
30% 700万円
1億円超
2億円以下
40% 1,700万円
2億円超
3億円以下
45% 2,700万円
3億円超
6億円以下
50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

たとえば課税される相続財産の額が3,000万円の場合の相続税は「3,000万円×15%-50万円=400万円」。課税される財産の額が1億円の場合の相続税は「1億円×30%-700万円=2,300万円」となります。

相続税の支払いにおいては、基礎控除を超えると結構な金額の税金が課せられることになるので、注意が必要です。そのためにも、不動産を利用して相続税の節税対策を講じておく必要性があります。

7.不動産相続税が払えない時の3つの対処法

不動産を相続すると、多くの控除を利用する事ができます。また、節税効果も見込めます。それでも多額の違算相続をした場合などには、相続税が支払えない場合があります。不動産相続税が支払えない場合には、どのような対処法があるのでしょうか。

対処法1 延納による納税方法

不動産相続税が支払えない場合、延納という方法を利用することができます。延納とは、相続税の支払いを分割払いしてもらう方法のことです。一括払いが困難な場合に利用できます。

延納の期間は原則的に5年以内ですが、相続財産のうち不動産などの割合が50%を超過する場合には、10年~20年まで延長することが認められます。この意味でも、相続財産を不動産の形にしておくメリットはあります。

また、延納を利用する場合には利子税がかかることに注意が必要です。延納を利用するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 申告の期限までに相続税申告書を提出すること
  2. 納税期限までに延納申請書と担保提供書類(担保が必要な場合)を提出すること
  3. 相続税額が10万円を超え、一括で金銭納付することが困難であること
  4. 延納に必要となる担保(不動産や国債など)を提供するとともに、延納期間中に利子税を支払うこと

ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下の場合には担保は不要です。なお、延納を利用する場合には、利子税がかかることに注意が必要です。利子税の金額は次のとおりです。

【延納期間と利子税】

相続財産のうちの不動産割合 延納期間と利子税の割合(原則)
50%未満 5年(年6.0%)
50%以上75%未満 15年(年3.6%)
75%以上 20年(年3.6%)

対処法2 物納による納税方法

不動産相続税を支払うことが困難な場合、物納という方法を利用することもできます。物納とは、相続税を相続財産そのもので納める方法のことです。物納を利用するための要件は次のとおりです。

物納の要件

  1. 相続税を延納によっても金銭で支払う困難な理由があること
  2. 申告期限内に相続税申告をし、納税期限内に物納申請書を提出すること
  3. 物納に適した財産(適格財産)で納付すること

物納するためには、利用できる相続財産に制限があります。物納できる財産には順位があり、第一順位の財産から物納に利用していくことになります。また、管理や処分に向かない財産は、物納に利用できません。

第一順位: 国債や地方債、.不動産や船舶
第二順位: 社債や株式、証券投資信託や貸付信託の受益証券
第三順位: .動産

対処法3 不動産を売却して支払う方法

不動産相続税を支払えない場合には、自分でその不動産を売却して現金に換えて、相続税を支払う方法もあります。この方法を利用すると、不動産を高く売ることができれば利益が上がりますが、売り急ぐことによって損失を被るおそれがあるので注意が必要です。

8.まとめ

不動産相続税の節税方法や支払の際の注意点について解説しました。基本的に、現金の形で財産を所有しているよりも不動産の形で財産を所有している方が相続税評価が下がるため、節税効果が高いです。今回の記事を参考にして、賢く不動産を活用して相続税を節税しましょう。

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