親から借金すると贈与税がかかるって本当?贈与税の真実と非課税枠を徹底解説

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車の購入や住宅の取得費用など、ある程度まとまった金額を親に借りるケースは実際多いと思います。

ですが「親だから返済に関して融通が利く」「金利がない分銀行よりもお得」といった甘い考えを持っていると、親からの借金に対し贈与税が発生してしまうことがあります。

「お金を借りているだけなのに、どうして贈与税がかかるの?」と疑問に思う方も多いでしょうが、親子の場合借金なのか贈与なのかの線引きがしにくいことが原因です。

この記事では、親からの借金を贈与とみなされないための注意点についてご紹介していきますので、親から資金援助を受けている方はぜひ参考にしてみてください。

1.親からの借金が贈与とみなされるケース

本来お金を借りることは贈与にあたりませんが、親から借金をする場合は返済条件が曖昧だったり出世払いというケースも多いと思います。しかし、借金なのか贈与なのかを明確にしておかないと、借入分に贈与税がかかる場合があります。例えば次のような場合、親からの借金が借入ではなく贈与とみなされることがあるので注意が必要です。

ケース1 返済条件が明確でない

銀行などの金融機関からお金を借りる場合、月々の返済額や金利、遅延損害金などについて細かく返済条件を設定しますが、親からお金を借りる場合、このような条件をきちんと設定することは少ないと思います。ですが、これこそが親からの借金が贈与とみなされる大きな要因の1つです。

契約書もなく毎月の返済額や金利も決まっていない状態では、当然借入とは言えません。特に出世払いで借りている場合、返済の約束自体が非常に曖昧なため、贈与とみなされる可能性が高くなります。

ケース2 無利子でお金を借りている

借入をすれば当然金利が発生しますが、あくまでこれは金融機関からの借入であり、親からの借金なら金利がかからない分お得と考えている方も多いかもしれません。実際のところ、子供にお金を貸す際に利子をとる親御さんは少ないことでしょう。

ですが、明確な返済条件のもと毎月元本をきちんと返済していても、無利子の場合には利息分は得をしたとみなされ、利息相当分に対し贈与税がかかるケースもあります。つまり親からの借金でも、基本的に利息はしっかりと支払わなければならないということです。

ただし、贈与税には年間110万円の非課税枠があるので、仮に利息相当分が年間110万円以下だった場合、贈与税がかかることはありません。例えば親から1,000万円を金利6%(民事利率)で借りた場合の年間利息は「1,000万円×6% = 60万円」となるため、この場合は利息分に贈与税はかかりません。

2.借金を贈与とみなされないようにするポイント

贈与ではなく借金であるということを明確にするには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。親からの借金を贈与とみなされないためのポイントを3つご紹介します。

ポイント1 契約書(金銭消費貸借契約書)を作成する

金融機関から借入をする場合と同じく、まずはしっかりと契約書を交わしておきましょう。契約書には借入額、返済額、返済方法、金利などを明記しますが、詳しい記入方法については後ほどご紹介します。

ポイント2 利息と元本を毎月支払う

ただ契約書を作成しただけで実際に返済が行われなければ、実質的には贈与とみなされます。あらかじめ契約書で決められた返済条件に基づき、毎月元本と利息の支払いをしっかりと行いましょう。

この時、返済の証拠をきちんと残しておくことも重要なので、手渡しではなく口座振込で返済し、お金の流れが一目でわかるようにしておくことも重要です。

ポイント3 金利を設定する

借入額によっては利息分に贈与税がかかる場合があるので、多額の借入になる場合はあらかじめ金利を設定しておきましょう。この場合の金利はある程度自由に決めることができますが、市場金利と大きくかけ離れている場合には適切と認められないケースもあるので、銀行のローン金利を参考にしてみると良いでしょう。

3.金銭消費貸借契約書の書き方

金銭消費貸借契約書には特に決まった書式はありませんが、司法書士事務所や行政書士事務所のサイトで公開されているものを参考にすると良いでしょう。

参考:クレア法律事務所
https://www.clairlaw.jp/download/loan_for_consumption_agreement.html

参考:ロイズ司法書士事務所
http://www.lawiz.net/template/template/001.html

①金銭消費貸借契約書に記載する項目

契約書の内容は契約条件によってもちろん異なりますが、記載する項目は主に以下の9つです。

  • 契約書の作成日
  • 借主の氏名・住所・押印(署名は直筆で印鑑は実印を用いること)
  • 貸主の氏名・住所・押印(署名は直筆で印鑑は実印を用いること)
  • 借り入れる金額
  • 貸付けを行った日付
  • 返済方法・返済期日
  • 金利
  • 遅延損害金の扱い
  • 期限利益の喪失

②期限利益の喪失

期限の利益とは、簡単に言うと借主がお金を借りていられる期間のことです。つまり期限利益の喪失とは、残金をすぐに一括返済しなければならないことを意味します。例えば、期限利益の喪失の条件を以下のように定めることも可能です。

  • 返済が2回以上遅れた場合
  • 他から新たに借金をした場合
  • 貸主に連絡なく引っ越した場合・・・など

4.贈与税の非課税枠

贈与税には非課税枠があり、次のような場合は非課税になります。損しないためにも覚えておきましょう。

①年間110万円以内

親から資金援助を受ける目的は人によって様々ですが、例えば車の購入資金や事業を始めるための開業資金、住宅の取得資金などが挙げられると思います。

このような資金援助が仮に借入ではなく贈与であっても、年間110万円以内であれば贈与税はかかりません。さらに、その他の非課税制度を活用すれば110万円を超える範囲についても税金が免除される場合があります。

②住宅取得資金の贈与なら最大1,200万円まで

両親や祖父母から住宅取得または増改築のための資金を出してもらう場合は、費用が高額なだけに110万円の非課税枠はすぐに超えてしまいます。しかし、住宅の取得資金を親から譲り受ける場合は、住宅の取得時期や住宅の種類に応じて贈与税の非課税枠が拡大される制度があります。

この非課税枠の特例制度を使えば、現状年間最大1,200万円まで贈与税を非課税にできるので、親からの資金援助で住宅取得を検討している方はぜひ覚えておきたい制度です。非課税限度額の詳細は次の表の通りです。

親から 借金1

親から 借金2

<非課税の特例対象となるための要件>

  • 贈与を受けた年の所得税に関わる合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと
  • 取得する住宅が自己の配偶者や親族等から譲り受けたものではないこと。またはこれらの方との請負契約等により新築もしくは増改築ではないこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築や改築をすること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、またはその家屋に居住することが確実であると見込まれること

5.まとめ

お金に困っている時に最も頼りやすいのは親かもしれませんが、親子とはいえお金の貸し借りをする際にはしっかりと契約条件を定めておくことが重要です。

生活費として数万円借りる程度なら問題ありませんが、金額が高額になる場合に「親だから無利子で借りられる」「余裕ができたら返せばいい」という考えをお持ちの方は、後々贈与税に苦しめられる可能性があるので十分注意しましょう。

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