病院に行きたいけどお金がない時に利用したい無料定額診療

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病院に行きたいけどお金がない女性

どこか体の具合が悪い時、本来であればすぐに病院へ行って診察を受けるべきです。

しかし、病院に行けば診察代や薬代がかかるため、金銭的な事情で病院に行くのをあきらめてしまったり、途中で治療を中断してしまう方も少なくないようです。

すぐに治療費の支払いが難しい場合は後払いにしてもらったり、クレジットカードで支払うということも可能ですが、日本には医療費を国が負担してくれる様々な制度があるので、まったくお金がない方でも病院で診察や治療を受けることは可能です。

今回はお金がない時に利用できる医療費の減免制度を詳しくご紹介します。

どんな時でも健康でいることが何よりも大切です。お金がないからと簡単にあきらめず、まずは自分が利用できる制度を探してみましょう。

1.お金がない時でも病院に行ける「無料定額診療」

健康保険で医療費負担が3割になるとはいえ、ギリギリの生活をしている人にしてみれば、それさえ支払うのが難しい場合もあるでしょう。

このような場合は「無料定額診療制度」を利用できないか検討してみましょう。

無料定額診療制度とは、経済的な理由で医療機関での診察を受けられない人に対し、医療費の免除や減額を行うサービスで、社会福祉法によって定められた社会事業の一つです。

①無料定額診療の対象となる方

無料定額診療制度の利用対象には明確な基準が設けられておらず、制度の実施についても各医療機関で取り扱いが異なります。厚生労働省が発表している内容によると、対象となるのは次の方となっています。

  • 低所得者
  • 要保護者
  • ホームレス
  • DV被害者
  • 人身取引被害者等の生活困難者

②利用できる病院

無料定額診療はどの病院でも実施しているわけではなく、医療機関側の判断に委ねられています。2012年度に行われた厚生労働省の調査によると、無料定額診療を実施している病院は全国に558施設となっています。

傾向としては社会福祉法人や民医連(全日本民主医療機関連合会)に加盟している病院が実施しているケースが多いようです。

お近くの病院で無料定額診療を受けたい場合は、地域の社会福祉協議会や福祉事務所に紹介してもらうこともできますが、病院に直接問い合わせをしてみるのも良いでしょう。

③申請方法

無料定額診療を希望する場合、まずは病院の受付で相談をし、その後ソーシャルワーカーとの面談を行う流れになります。

面談では経済状況や健康状態に関する調査や聴き取りが行われ、制度の対象となるかどうかソーシャルワーカーが判断をします。

一般的な収入条件は生活保護基準の120%~150%以下と言われていますが、明確な共通基準ではないため、最終的にはソーシャルワーカーが総合的に判断をすることになります。

④対象となる期間

対象となる場合は医療費の減額や免除を受けることができますが、無料定額診療で診察を受けられる期間はあくまで「生活が改善するまで」なので、目安としては1ヶ月~6ヶ月、長くても1年ほどになることが多いようです。

ただし、それ以降も生活が改善しない場合は再度申請をすることも可能ですし、その間ソーシャルワーカーが生活保護や年金の受給申請、借金問題の解決など生活状況を改善するために必要な手助けをしてくれます。

2.国民健康保険の「一部負担金減免制度」

国民健康保険の「一部負担金減免制度」とは、特定の理由により医療費の支払いが困難になった世帯の医療費自己負担額を減免または猶予する制度で、状況に応じて医療費の「減額」「免除」「猶予」のいずれかを受けることができます。

ここで言う特定の理由とは主に次のような場合です。

  1. 災害により死亡または障害を負った場合、もしくは居住する家屋が半壊または全壊などの損害を受けた場合
  2. 干ばつ、冷害、凍霜害等による農作物の不作、不漁その他これらに類する理由により著しく収入が減少した場合事業の休廃止や失業により収入が著しく減少した場合
  3. 上記に類する理由があった場合

①減額される金額

減額となる金額は市区町村によって異なりますが、自己負担額のおよそ20%~80%の範囲内とされています。

一方、免除の場合は医療費の全額を国が負担してくれるため自己負担額は0円です。

減免される期間は基本的に最長3ヵ月間ですが、生活状況や病状などによってはさらに3ヵ月間延長することも可能です。

猶予は今後3ヶ月以内にかかる医療費の支払いを最長6ヶ月間待ってもらうことができます。

②申請に必要な書類

一部負担金減免制度の申請は病院ではなく市区町村役場の保険課で行います。申請に必要な書類は次のとおりです。

  • 国民健康保険一部負担金減免等申請書
  • 給与明細などの収入証明書
  • 医師の意見書
  • その他市長が必要と認める書類

3.医療費が高額になった場合の「高額療養費制度」

高額療養費制度とは、一月にかかった医療費が一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合に後から払い戻しを受けられる制度です。

つまり、思わぬケガや病気で入院費や手術費用が高額になったとしても、必ずしもその全額を負担する必要はないということです。

①自己負担限度額とは

自己負担限度額は年齢や収入に応じていくつかの区分に分かれており、世帯で合算が可能です。

70歳以上の自己負担限度額

70歳未満の自己負担限度額

②実際に支給される金額

たとえば70歳未満で年収370万円~770万円の方が一月に100万円の医療費を支払ったとします。窓口での自己負担額は3割なので、100万円のうち30万円が本来の自己負担額となります。

では、高額療養費制度を利用した場合ここからいくら戻ってくるのか計算してみます。

自己負担限度額
80,100円+(100万-267,000円)×1%=87,430円

実際に戻ってくる金額
30万円-87,430円=21万2,570円

この場合の自己負担限度額は87,430円となり、実際に支給される金額は21万2,570円となります。

③申請に必要な書類

高額療養費制度の申請には次のものが必要です。また、申請窓口は加入している健康保険の種類によって異なるため、保険証に記載の保険者へ問い合わせをしてみてください。

  • 領収証
  • 保険証
  • 印鑑
  • 振込口座がわかるもの

④限度額適用認定証

支払った医療費が後から戻ってくるとはいえ、そもそも高額な医療費を一括で支払うこと自体難しい場合もあるでしょう。

そんな時はあらかじめ窓口での負担額を自己負担限度額までにできる「限度額適用認定証」の利用が便利です。

入院や診察時に限度額適用認定証を窓口に提出しておくと、病院側は自己負担限度額を超えた分の医療費を直接健康保険に請求します。患者側は限度額以上の金額を請求されずに済むということです。

限度額適用認定証は加入する健康保険の窓口で発行してもらえるので、医療費が高額になりそうな場合は早めに申請手続きを行っておくと良いでしょう。

ちなみに70歳以上の方は、認定証がなくても自動的に窓口での支払額が自己負担限度額までとなります。

4.まとめ

それぞれの制度で対象になる方が違うので、まずは自分の状況に合わせて利用可能な制度を探してみましょう。

治療費を支払えないからと病院に行くことをあきらめる方も多いようですが、お金がなくても病院に行く方法はあります。

どんな状況でもまずは健康な体を手に入れることが最優先です。治療の必要がある方は一日でも早く病院または市区町村の窓口に相談してみてください。

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