
借りていた部屋を解約する際には退去費用が発生する場合も多いですが、中には想定外の金額を請求されるケースも珍しくないようです。
一括での支払いが難しい場合は分割が可能かどうかも気になるところですが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回は退去費用が高額になった場合の対処法をまとめましたので、退去費用の支払いにお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.アパートの退去費用の分割払い
アパートを解約する際の退去費用は部屋の間取りや居住年数などによっても変わってきますが、思ったよりも高い金額を請求された場合は、一括で支払うのが難しいケースもあると思います。
退去費用を分割にできるかどうかはあくまで管理会社によって対応が異なりますが、一般的に分割払いが認められるケースはそれほど多くないようです。
支払いが難しい場合は一度具体的な金額を出して分割の相談をしてみるのもありですが、あまりしつこく食い下がると訴訟やトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。
ちなみに、アパートの入居時に敷金を入れる場合も多いですが、敷金は家賃の未払いや部屋の修繕費用に充てるためのものなので、退去費用が敷金よりも少ない場合は、敷金で退去費用を清算できます。
反対にレオパレスなど敷金0を売りにしているところで部屋を借りた場合は、総じて退去費用が高額になる傾向にあります。
2.アパートの退去費用の支払時期
退去費用を決める際には管理会社立会いの元、部屋の状態を確認した上で見積書を作成しますので、引っ越し先に請求書が届くのは退去後2週間~1ヶ月後になります。退去日に支払うわけではないので、それまでにお金を用意できる場合もあるでしょう。
3.高額な退去費用を請求された時の3つの対処法
退去費用が高額になった場合の対処法をまとめました。
対処1 正当な金額かどうかを確認する
退去費用があまりにも高額だった場合はその金額が正当かどうか確認しましょう。その際は、国土交通省のガイドラインを参考にしてみてください。
国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
ガイドラインでは「経年劣化」や「通常損耗」という考え方が採用されており、年数の経過や通常の使用で劣化・損耗した箇所は借主ではなく貸主に修繕義務があるとしています。
原状回復の定義
「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失・善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような仕様による損耗、毀損を復旧すること」
つまり、「原状回復=借りた当時の状態に戻すことではない」ことを意味しており、日常生活を送る上で生じた劣化や損傷は基本的に借主が修繕費を負担する必要はないということになります。
ただし、タバコのヤニで壁紙を汚してしまった場合などは基本的に借主の負担になるので注意してください。
また、ガイドラインには法的な拘束力はないため、あくまで退去費用を算出する際の参考程度に活用しましょう。
対処2 消費者センターや弁護士に相談する
悪質な業者から不当な請求をされた場合は、消費者相談センターや弁護士に相談してみるのがおすすめです。原状回復トラブルの専門家である敷金診断士に依頼するのも良いかもしれません。
対処3 カードローンで借りる
請求額は妥当でもどうしても支払いが難しい場合は、カードローンでお金を借りて払うのも1つの手です。
カードローンには主に消費者金融と銀行系のものがありますが、150日(5ヶ月)以内の借入なら大手消費者金融、完済するまでに180日(6ヶ月)以上かかる時は低金利の銀行カードローンを選ぶと利息を抑えることができます。
まずは大手消費者金融と銀行カードローンの金利を見てみましょう。消費者金融の金利は年3.0%〜18.0%ですが、銀行カードローンは年1.8%〜14.6%となっています。
カードローン | 金利 | 利用限度額 |
---|---|---|
アコム | 年3.0%〜18.0% | 1〜800万円 |
レイクALSA | 年4.5%〜18.0% | 1〜500万円 |
プロミス | 年4.5%〜17.8% | 1〜500万円 |
SMBCモビット | 年3.0%〜18.0% | 1〜800万円 |
アイフル | 年3.0%〜18.0% | 800万円 |
みずほ銀行 | 年2.0%〜14.0% | 10〜800万円 |
三井住友銀行 | 年4.0%〜14.5% | 10〜800万円 |
三菱UFJ銀行 | 年1.8%〜14.6% | 10〜500万円 |
金利だけ見ると銀行カードローンの方が支払利息を減らせそうですが、実際には消費者金融を利用した方がお得なケースがあります。これには無利息期間が関係しています。
アコムやプロミスなど多くの大手消費者金融には「30日間無利息」の無利息サービスがありますが、多くの銀行カードローンにはありません。短期間だけお金を借りるなら無利息期間がある消費者金融の方がお得です。
例として10万円を30日・60日・90日・120日・150日・180日借りた場合の利息を見てみましょう。
30日間無利息は消費者金融の平均である金利年18.0%、無利息期間なしは銀行カードローンの平均である14.5%で計算しています。(計算式「借入金額×金利÷365×借入日数」)
借入日数 | 30日間無利息 | 無利息期間なし |
---|---|---|
30日 | 0円 | 3,575円 |
60日 | 4,438円 | 7,150円 |
90日 | 8,876円 | 10,726円 |
120日 | 13,315円 | 14,301円 |
150日 | 17,753円 | 17,876円 |
180日 | 22,191円 | 21,452円 |
150日以内の借入なら無利息サービスがある消費者金融の方がお得であることがわかります。無利息期間中に全額返済すれば利息ゼロ円で利用できますし、それ以外でも無利息期間分の利息を減らすことができます。
180日以上の借入を予定している場合は低金利の銀行カードローンを選ぶと良いでしょう。
なお、無利息期間がある主なカードローンは次の通りです。短期間の利用ならこの中から選びましょう
カード | 金利年 | 無利息期間 |
---|---|---|
アコム | 3.0%~18.0% | 初めてなら30日間無利息 |
アイフル | 3.0%~18.0% | 初めてなら30日間無利息 |
プロミス | 4.5%~17.8% | 初めてなら30日間無利息 |
▼お金に困った時の詳しい対処法なら
4.まとめ
アパートの退去費用をめぐってトラブルになるケースは非常に多いですが、中には不当な金額を請求してくる業者も存在するため、不信感を抱いた場合は専門家に相談してみた方が良いかもしれません。
退去費用を滞納すると訴訟になる場合もあるので、どうしても自分でお金を用意できない時は借入なども検討しながら期限内に支払う方法を考えましょう。