ギャンブル依存症は日本人の5人に1人。正しい治療法と注意点

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ギャンブル依存症の治療

膨らみ続ける借金。それでも、勝ち続ければこの借金をチャラにできるのではないだろうか、そんな考えが頭をよぎります。

借金はすでに返せる額を越え、家族や友人にも迷惑をかけ、それでもギャンブルがやめられない。

そんなあなたは、ギャンブル依存症という病気です。ギャンブル依存症は、長期的に正しい治療を行っていけば回復が見込めます。

この記事では、ギャンブル依存症に対する正しい治療法と注意点をまとめました。ぜひ確認していただいて、ギャンブル依存から抜け出すことができればと思います。

もくじ

1.ギャンブル依存症の正しい治療法とその効果

1〜4は自分でできる方法です。チャレンジしてみて、出来そうもなければ素直に治療の専門家に頼りましょう。

その1 家計簿をつける

ギャンブルに使ったお金はもちろんのこと、レシートはできる限り貰うようにし、毎日の出金額を1円単位で詳細に記録します。そうすることで、ギャンブルにどれだけの金額を費やしているかを視覚化できます。

また、ギャンブルを続けていくと、金銭感覚が常識とかけ離れていきます。正常な金銭感覚を取り戻すといった意味でも、家計簿は効果的です。

その2 嘘やごまかしをしない

ギャンブルに使ったお金やギャンブルで作ってしまった借金について、嘘を言ったり金額をごまかしたりするのはやめましょう。

また、どうしてもギャンブルがしたくなったときやしてしまったときは、嘘をついて隠すのではなく、正直に告白するようにしましょう。

「借金」と「嘘」は、ギャンブルの2大症状であると言われています。そのため、ギャンブルに関して正直になることが、治療の第一歩であると考えられます。

その3 金銭管理を徹底する

どんな理由があっても、基本的には現金を持って出掛けないようにします。持つとしても硬貨までとし、お札、キャッシュカード・クレジットカードは置いて出かけましょう。少なくとも、ギャンブルをやめてから3年は現金の徹底した管理が必要となります。

ギャンブル依存症者にとっては、「現金=ギャンブル資金」であることを意識する必要があります。自分ではお金の管理が不安な場合、キャッシュカード・クレジットカード、カードローンを組むために必要な身分証などを、家族に預けておきましょう。

その4 情報を遮断する

コンビニの雑誌、新聞の記事や広告、ネットやテレビなど、ギャンブルにおけるあらゆる情報をシャットアウトしましょう。

ギャンブル依存症者の場合、脳にも明らかな変化が起きています。ギャンブル依存によって脳にできてしまった回路は、一生なくなることはありません。

そのため、脳にギャンブルの刺激が与えられれば、それがきっかけとなって再発することは十分にありえます。ご家族が一緒に住んでいる場合には、本人に情報を与えないための協力が不可欠です。

その5 自助グループのミーティングに参加する

自助グループのミーティングとは、依存症当事者がギャンブルについての自分の体験を語り、また他の人の話を聞くための集まりです。

これを「集団精神療法」と言い、薬物による治療法が確立されていないギャンブル依存症においては、最も有効な治療法であると言われています。ギャンブルをやめ続けるためには、週に1〜2回、少なくとも2年間は継続して行うことが必要です。

その6 病院で専門的な治療を受ける

精神科病棟に入院し、ギャンブル依存症に対する治療プログラムにそって、より専門的な治療を受けます。集団精神療法を主とし、ギャンブル依存症のグループに入って、グループのルールに従った規律正しい生活を送ります。

ギャンブルから物理的に遠ざかり、日常生活から見直されるため、最も確実な方法であると言えます。

病院の探し方は「ギャンブル依存症を治すための病院の探し方徹底ガイド」を参考にしてみてください。

>> 「ギャンブル依存症を治すための病院の探し方徹底ガイド」へ

2.依存症治療の際に気をつけること

ギャンブル依存症の治療において大切なことは、「ギャンブルをやめることを諦めないこと、やめることを継続すること」です。

ギャンブル依存症は、意志のあり方でやめられるようなものではなく、再発率が高い障害であると言われています。治療に失敗することがあることを、依存者本人と依存者を支える立場の家族があらかじめ理解しておくことが必要です。

一度やめられなかったからといってやけにならず、自助グループのミーティングに参加して、その体験を正直に話しましょう。

失敗を繰り返しながらも継続的に治療を行いながら、障害と付き合っていかなければなりません。ご家族の方も、依存症者を責めるのではなく、「また一緒に頑張ろう」というふうに声をかけてあげてください。

3.家族や知人に相談できない人が助けを求める場所

各自治体には福祉保健局があり、ギャンブル依存症を含めた依存症問題に対応しています。費用がかからないケースが多く、気軽に相談できます。

また、費用の面で負担が大きいと感じやすい医療機関の中にも、保険適用での相談など、依存者の負担に配慮して相談を行ってくれるところがあります。公費負担制度の紹介もしているため、治療に進む場合も安心です。

4.ギャンブル好き≠ギャンブル依存症

ギャンブル依存症者のほとんどが、ギャンブルを始める前はごく普通に日常生活を送っていた人たちです。ギャンブル好きだからギャンブル依存症になるわけではなく、誰にでもギャンブル依存症になる可能性はあると言えます。

ギャンブル依存症は、正式な病名を「病的賭博」と言います。ギャンブルで勝った記憶が強烈に記憶として残ってしまい、繰り返しその刺激を求めるようになると、結果として脳の活動が低下し、ギャンブルにだけ過剰に反応するような機能変化が起きてしまいます。

この機能変化は一生残ってしまうため、ギャンブル依存症になってしまうと、ほどほどにギャンブルを楽しむということはできなくなってしまいます。

そのため、ギャンブルを完全に断ち、脳にもギャンブルの刺激を与えないことが治療として有効であると言えます。

5.五人に一人がギャンブル依存症!病気の現状

ギャンブル依存症という病気の実態について、2つの事実を挙げてみました。

実情1 日本はギャンブル依存症の割合が最も高い国の1つ

2014年8月、厚生労働省は、成人のうちギャンブル依存症の疑いがある人は536万人いると発表しました。これは人口の4.8%にのぼり、特に成人男性の場合、1割近くが依存症であるという状態です。他の多くの国が人口の1%以下であることと比較すると、日本の依存症者の割合が極めて高いことがわかります。

実情2 「ギャンブル依存症=病気」という認識が低い

それにもかかわらず、現在の日本においては、ギャンブル依存症に関心を持ち、専門的に治療にあたる精神科医が極端に少ないのが現状です。

依存者が相談や治療に向かう気になっても、病気と診断されなかったり、適切なアドバイスを受けられなかったりすることがあります。

また一般の人においても多くの人が、ギャンブル依存症は本人の意志が強ければ克服できる、という人格的な問題で捉えています。そのような誤った考えが、病気の発見や治療を遅らせています。

6.ギャンブル依存症がもたらす4つの弊害

ギャンブル依存症は病気

ギャンブル依存症は、深刻な病気です。この病気になった人が陥りがちな状態を4つ挙げてみました。4番目の弊害は特に深刻です。

弊害1 時間やお金を失う

ギャンブルに支配された生活によって、二度と戻らない大切な時間が奪われてしまいます。また、自分のお金がなくなってもなおギャンブルへの欲求がおさまることはなく、借金はみるみるうちに膨れ上がっていきます。

弊害2 社会的信用・仕事を失う

借金を繰り返すことにより、社会的信用を失います。また、ギャンブルのために仕事が手につかなくなると、仕事の時間までもギャンブルに充てるようになります。遅刻や欠勤が増えることで職場での信用を失い、場合によっては、職を失うことにもなります。

弊害3 大切な人を失う

家族や恋人、友人など大切な人たちが離れていきます。ギャンブル依存症は、周囲の人たちに与える影響が大きな障害であると言われています。

自分のお金では足らず知人・友人に借金をする。家財道具や家族の物を売ってギャンブル資金を作る。DVやネグレクトによって家族や恋人の心と体に傷を負わせる。それらの行為によって、自分だけでなく周りの人々が傷ついていることを忘れてはいけません。

弊害4 刑事問題

ギャンブル資金を得たいがために横領や詐欺、窃盗などの犯罪に手を染めてしまう事例があります。犯罪を起こせば自分の未来が失われるだけでなく、被害者を生み、全く無関係の人間を傷つけることになります。

7.家族が協力できる3つのこと

家族がギャンブル依存症になってしまった時、あなたにはなにができるでしょう?

その1 ギャンブル依存症に対する誤った考えを捨てる

本人にやめる気があればやめられるはずだ、ギャンブルへの欲求を抑えられないのは意志が弱いからだ、といった考えは間違いです。

自分をコントロールできないのは、意志の問題ではなく、脳機能のバランスが崩れてしまっているためです。依存状態になると正常な判断ができなくなること、やめたくてもやめられないこと、を理解しましょう。

その2 ギャンブル依存症を知る

ギャンブル依存症者を理解するためには、ギャンブル依存症について知ることが必要です。ギャンブル依存症についての本を読んだり、講演会や勉強会に積極的に参加したりして、知る機会を増やしましょう。

相談できる機関にコンタクトをとるなど、第三者に頼ることもひとつの方法です。家族の意識や対応が変われば、本人の気持ちのあり方や治療に向かう態度も変わっていきます。

その3 本人の回復を信じる

前述したとおり、ギャンブル依存症は再発の危険性が極めて高い障害です。たとえ再発したとしても、ご家族に本人の回復を信じサポートする気持ちがあれば、長期的に治療と向き合っていかなければならない本人にとって、大きな支えとなります。

8.家族が絶対してはいけない注意点

家族がギャンブル依存症になってしまった時、良かれと思って思ってやったことが回復の妨げになることがあります。以下の3つには気をつけましょう。

注意点1 借金の肩代わりをする

借金を代わりに返済したり、お金を貸したりすることは、逆に依存者をギャンブルへと向かわせる行為です。決してお金を出してはいけません。

しかしそれだけではただ本人を追いつめてしまうだけですから、「お金は出さないが、やめるための相談には乗る、一緒に考えよう」という気持ちをきちんと本人に伝えてください。

注意点2 本人の尊厳を傷つける

強い口調で責めたり、汚い言葉でなじったりして本人の尊厳を傷つけてはいけません。依存者の心を傷つけたところで、問題の根本的な解決にはなりません。

それよりも、本人を心配していること、病気を治してほしいことを伝えるなど、積極的に治療に向かえるような言葉をかけてあげることが大切です。

注意点3 ギャンブル依存症であることを隠す

その人が依存症であることを隠すことは、一般的に依存の進行につながると言われています。世間体を気にして問題を隠すのではなく、オープンにして、一緒に問題を解決しよう、一緒に治療を頑張ろうという姿勢でいることが大切です。

9.必読|ギャンブル依存症を治すための記事まとめ

ギャンブル依存症を治すために必要な知識を紹介している記事をまとめました。早く克服するためにも、ぜひ一緒にチェックしてみてください。

その1 ギャンブル依存症チェック

ギャンブル依存症の依存度をチェックするチェックリストや、完治までの方法をまとめています。

>> 「ギャンブル依存症のチェックリストと完治までの道知るべ」へ

その2 病院の探し方

ギャンブル依存症を治すための病院の探し方をすべて詳しくまとめています。

>> 「ギャンブル依存症を治すための病院の探し方徹底ガイド」へ

その3 パチンコで作った借金の返済方法

パチンコで作った借金の減らし方や返済の方法をまとめています。

>> 「パチンコ依存症で作った借金を減らして返す方法と注意点」へ

その4 主婦のパチンコ依存症

主婦がパチンコ依存症から抜け出す方法についてまとめています。

>> 「主婦がパチンコ依存症から抜け出す適切な方法と注意点」へ

その5 ギャンブル依存症の克服

ギャンブル依存症を克服するまでのステップをまとめています。

>> 「完治を実感|ギャンブル依存症を克服する7つのステップ」へ

10.まとめ

ギャンブル依存症は病気であること、ギャンブル依存症に苦しむ患者さんが多くいることが理解して頂けたのではないかと思います。

ギャンブル依存症は、きちんと向き合って治療を続けていけば、治すことができます。しかし、回復には本人のやめたいという気持ちと、家族の支えが必要不可欠です。ぜひ参考にしていただき、治療への一歩を踏み出す手助けになればと思います。

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