固定資産税路線価とは|2つの調べ方と確認する時の7つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
固定資産税

社会生活を送る上で、土地の評価が問題になる事は多いです。たとえば、売買や相続の場合などには、対象となる土地の評価額が問題になります。

さらに、土地を所有している場合に課税される固定資産税の計算においても、土地の評価は重要な問題になります。

土地の所有者には、市町村によって毎年固定資産税が課税されますが、この場合の固定資産税の課税額は課税される対象の土地の価格に応じて変わってきます。

固定資産税の課税の基準となる土地評価方法は、固定資産税路線価が用いられていますが、これによる土地評価方法は、どのようなものなのでしょうか。

今回は土地評価方法の中でも、固定資産税路線価についてや固定資産路線価図の見方8つのステップ、固定資産路線価図を確認する時の7つのポイントについて詳しくご紹介します。

もくじ

1.固定資産税路線価とは

固定資産税路線価とは、固定資産税の課税の際の基準となる土地の評価方法です。具体的には、道路に面した宅地の1平方メートルあたりの土地評価額が使われます。

不動産

市街地的な道路に面している宅地の1平方メートルあたりの土地評価のことを「路線価」といいますが、固定資産税路線価はこの中でも固定資産税や都市計画税、不動産譲渡税などの課税の基準になる路線価のことです。

①固定資産税路線価の計算式

路線価には、固定資産税路線価以外に相続税路線価があります。固定資産税路線価によって土地の価値を計算する場合には、基本的に「固定資産税路線価×その土地の面積(平方メートル)」の計算式で計算できます。

②固定資産税路線価の決まり方

固定資産税路線価は各市町村長が決定しています。東京都の区の場合には東京都知事が決定します。また、固定資産税路線価は、3年に1度改訂されます。その年の1月1日の時点における価格評価を基準にして決定され、決定後すみやかに発表されることになっています。

③公示価格との差

固定資産税の価格に重大な影響を与える土地価格として、土地の公示価格があります。公示地価とは適正な評価額であるとして、国が定める土地評価額のことです。固定資産税路線価の価格は、この公示地価の7割程度の数字になります。

④相続税路線価との差

路線価には2種類あり、固定資産税路線価以外には相続税路線価という評価方法があります。これは相続税の課税基準になる路線価のことです。ただ、同じ路線価であっても相続税路線価は公示地価の8割程度の数字になるので、相続税路線価は固定資産税路線価よりも高い金額になります。

2.固定資産税路線価が必要な4つの理由

固定資産税路線価のような土地の評価は、そもそもどうして必要になるのでしょうか。普段、日常生活を送っているときには、あまり土地の評価のことを気にする機会はないかもしれません。しかし、土地の評価が問題になることは、実際にはかなり多いですし、私達の日常生活にも大きな影響を与えています。

理由1 土地売買の相場を調べるため

土地を売買する場合には、購入しようとしている土地が、相場よりも高いのか安いのかなどを知る必要があります。

不動産売却

相場通りであれば特に損をすることはありませんが、もし相場よりも高い価格設定がなされていたら、損をしてしまう可能性もあります。そのために固定資産税路線価が必要になります。

理由2 課税の基準となる数字を設定するため

固定資産税などの税金の課税の際には土地の評価は極めて重要です。不動産への課税は、その対象となる不動産の価格によって変わってくるからです。対象地の価格が高ければ課税される税金も高くなりますし、対象地の価格が低ければ課税される税金は低くなります。

課税の基準

このように課税の基準となる数字を設定しておかないと、土地に課税される税金の金額が計算できなくなってしまいます。固定資産税路線価は、その基準のために必要になります。

理由3 土地の評価方法を一律にするため

税金を課税する場合には、その土地の評価方法は一律である必要があります。もし、ケースによって異なる基準が利用されるとなると、人によって課税される税金の金額が異なる結果になってしまい、不公平が発生して問題になるからです。

土地の評価方法

固定資産税路線価では各道路の価格を基準にしますので、その評価は誰がいつ調べても同じになります。

理由4 土地の評価方法をわかりやすくするため

税金を課税する場合には、その土地の評価方法は簡単でわかりやすいことが必要です。あまりに難解にしてしまうと、税金の計算が非常に面倒でわかりにくいものになるからです。たとえば1つ1つの土地に個別に価格を設定すると、とても手続が複雑になりますし、調べるのも大変です。そこで、固定資産税の課税基準として、固定資産税路線価が利用されます。

土地の評価方法

固定資産税路線価は、道路に価格をつけて、その道路に面している土地の面積をかけ算するだけなので計算方法は簡単です。

3.固定資産税路線価の2つの調べ方

土地の固定資産税路線価を調べたい場合には、どのような方法で調べることができるのでしょうか。固定資産税路線価の調べ方を2つご紹介します。

調べ方1 全国地価マップを使う

全国地価マップというサイトを使うと、簡単に固定資産税路線価図を調べることができます。

全国地価マップ

>> 全国地価マップへ

全国地価マップは国の総務省の管轄の機関である「財団法人資産評価システム研究センター」という団体が運営しているサイトで、全国の土地の公示価格や相続税路線価、固定資産税路線価などの図面が掲載されています。全国地価マップを利用すると、全国の固定資産税路線価を検索して路線価図を表示することができるので、簡単に固定資産税路線価を調べることができます。なお、ここで検索できるのは、直近4年分の固定資産税路線価です。

調べ方2 資産税課へ行く

固定資産税路線価は、各市町村長が定める数字です。よって、固定資産税路線価は、各市町村役場にて調べることができます。

資産税課

対象となる土地が存在する市町村役場に行って、資産税課と言うところに行きます。そこで、固定資産税路線価図を見せてほしいと依頼すれば見せてもらうことが可能です。

4.固定資産税路線価の見方8つのステップ

固定資産税路線価を調べようとして、具体的に固定資産税路線価図を見る場合、どのようにして見れば良いのでしょうか。全国地価マップを利用して固定資産税路線価を見る方法を解説します。

ステップ1 全国地価マップを開く

全国地価マップのホームページを開き、「次へ」というアイコンをクリックします。

全国地価マップ

ステップ2 同意ボタンをクリック

すると職業を選択する欄が出てきますので、どれかを選んで同意ボタンをクリックします。職業をどれにするかによって大きな影響はないので、ここで悩む必要はありません。

全国地価マップ

ステップ3 都道府県を選択

同意すると、日本地図が出てくるので、調べたい土地のある都道府県を選択します。ここでは試しに東京を選択します。

全国地価マップ

ステップ4 市区町村を選択

さらに市町村を選択します。ここでは世田谷区を選択しました。

全国地価マップ

ステップ5 市区町村役所を選択

選択した地域の詳細が出ますので、そこからまた選択します。ここでは世田谷を選択しました。

全国地価マップ

ステップ6 丁目を選択

すると丁目が出てくるので、自分の調べたい土地のある丁目を選択します。ここでは1丁目を選択しました。

全国地価マップ

ステップ7 番地を選択

自分の調べたい土地のある番地を選択します。ここでは1番地を選択しました。

全国地価マップ

ステップ8 固定資産税路線価図が表示される

近隣の固定資産税路線価図が表示されます。その表示画面で対象となる土地の固定資産税路線価を調べることができます。

全国地価マップ

5.固定資産税路線価を確認する時の7つのポイント

固定資産税路線価図が表示できたら、具体的な対象土地の路線価を確認していきます。その時のポイントを7個ご紹介します。

ポイント1 住所の数字

固定資産税路線価図の縮尺を小さくして見てみると、〇〇1丁目などの住所が表示されています。そして、1や5などの数字が記載されています。たとえば〇〇1丁目の1なら、1丁目1番ということです。

全国地価マップ

ポイント2 赤い線と青い線

赤い線で主要な道路、青い線でその他の道路が標示されています。それぞれの道路に路線価の価格が記載してあるので、自分の調べたい土地の近隣の道路の路線価を使って、その価格に土地面積(平方メートル)をかけ算すれば、土地の固定資産税路線価を計算することができます。

全国地価マップ

ポイント3 赤い〇

固定資産税路線価図には、赤い〇がついている土地があります。これは、基準・標準宅地です。基準・標準宅地とは、その周辺の土地の中でも標準となる土地であるとして選ばれた土地のことです。赤い〇の近くに記載してある赤い数字が、基準・標準宅地の1平方メートルあたりの評価額になります。

全国地価マップ

ポイント4 縮尺

全国地価マップの固定資産税路線価を利用する場合には、縮尺を1000分の1~10万分の1まで選ぶことができます。自分の見やすい縮尺に合わせて画面を表示すると良いでしょう。

全国地価マップ

ポイント5 属性

全国地価マップの固定資産税路線価図において、具体的な路線価格の数字をクリックすると、画面左の属性情報にその路線価の「属性」が表示されます。属性には、その道路に面した土地の具体的な路線価の価格や、時点補正率などが記載されています。

全国地価マップ

ポイント6 時点補正率

時点補正率とは、固定資産税路線価の設定をした基準時以降、時間が経過したことによって土地価格が下落した場合に、適正な価格を表示するためにもともとの路線価格に修正を加えるための数字です。たとえば、時点補正率が0.98の場合には、もともと基準として定めた際の路線価格に0.98をかけ算した数字が、その年度に適用すべき路線価の価格になります。

全国地価マップ

なぜ、このように時点修正が行われるのかというと、固定資産税路線価は3年に1度しか改定されません。よって、その間に社会情勢の変化などにより、土地価格が大きく下落することもあります。そのような場合、3年前の価格をそのまま用いることが不都合になることがあります。適正な計算方法を維持するために、時点修正率が加えられています。

ポイント7 相続税路線価や公示地価を比較

全国地価マップを利用すると、相続税路線価や公示地価を調べることもできます。この機能を使って、固定資産税路線価と相続税路線価、公示価格を比較することが可能です。

全国地価マップ

具体的に言うと、固定資産税路線価の価格は公示地価の価格の7割程度を基準にしています。よって、地価マップの公示地価図を使って、対象となる土地の公示地価を調べて土地を評価してみると、固定資産税路線価を使って計算した土地価格の評価を7とした場合に10になるくらいの数字になります。

たとえば公示地価表を用いて計算した場合の土地評価が1000万円の土地の場合、固定資産税路線価図を用いて計算した場合の土地評価はだいたい700万円程度になっていることが原則です。もしこれがあまりに異なる数字になる場合、気になるようであれば、一度市町村役場に理由を問い合わせても良いでしょう。

6.固定資産税路線価図を見るときの3つの注意点

固定資産税路線価を見るときには、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。固定資産税路線価図を見るときの注意点を2つご紹介します。

注意点1 正しい年度の固定資産税路線価図を利用する

固定資産税路線価は3年ごとに改定されることがあります。よって、固定資産税路線価を使って固定資産評価額を計算する場合には、自分が調べたい年度の固定資産税路線価を使って計算する必要があります。間違った年度の固定資産税路線価を使ってしまうと、正しい結果を得ることができないので注意しましょう。

注意点2 固定資産税路線価には補正がある

固定資産税路線価で土地の評価額を計算する場合、各種の補正を考慮しなければならないことがあります。補正とは土地の奥行や間口の狭さ、土地の形が不整形、角地で利便性が高いなどの事情に応じて路線価を減額したり増額したりする修正のことです。

土地の奥行が短かすぎる場合や、逆に細長すぎる形状である場合には、その土地の利便性が悪くなって評価が下がります。同じ道路に面している土地であっても、これらの要素によって、補正を加える必要があるのです。固定資産税路線価の補正率については、各市町村が定めていますので、正確に固定資産税評価額を計算したい場合には、どこにどのような補正率が加えられるのかについて、各市町村役場に問い合わせる必要があります。

注意点3 固定資産税課税の基準となる数字に過ぎない

固定資産税路線価は、あくまで固定資産税の課税基準になる数字に過ぎません。土地の実際の取引で利用されている実勢価格とはかなりの剥離があります。通常は固定資産税路線価は、時価よりもかなり低い金額であることが多いです。よって、土地の適正な評価額を知りたい場合に、あまり固定資産税路線価の価格にとらわれすぎると、判断を誤る可能性があります。

たとえば、固定資産路線価で算出された金額で、その土地を実際に購入できるわけではありません。また、固定資産税路線価で算出された金額で土地を売ると、大変な損をすることになってしまいます。固定資産税路線価は、あくまで固定資産税課税の基準となる数字に過ぎないことに注意しましょう。

時価は国土交通省が公表する公示価格を参考に不動産業者が提示する価格です。買い手や売り手の価値観によって値段が変わります。次のサイトで所在地を入れるだけですぐに確認が可能です。

→ 60秒でできる無料査定はこちら

7.固定資産税路線価の計算方法と例

固定資産税路線価を用いて土地の評価額を計算する方法を確認しましょう。

計算方法1 土地と年度を選択

まずは、全国地価マップで調べたい土地がある場所の固定資産税路線価図を開きます。そして、調べたい年度を選択します。

全国地価マップ

計算方法2 路線価から固定資産税評価額を計算

調べたい年度の対象土地周辺の固定資産税路線価図が表示されます。ここで対象土地に面している道路の路線価が35万円だったとして、その土地の面積が40平方メートルだとします。その場合、35万円×40平方メートル=1400万円となりますので、対象の土地の固定資産税評価額は1400万円になります。

全国地価マップ

ただし、固定資産税路線価には補正が加わる可能性があります。よって、この計算方法で計算した数字が必ずしも固定資産税評価額そのままになるとは限らないので注意が必要です。たとえば補正率が0.97の場合には、その土地の固定資産税路線価による評価額は35万円×40平方メートル×0.97=1358万円になります。

8.まとめ

固定資産税路線価は、固定資産税の課税の基準になる土地の評価方法で、全国の道路に面した宅地の1平方メートルあたりの価格である「路線価」の1種です。固定資産税路線価を使って土地評価額を計算する場合には、基本的に固定資産税路線価×土地面積×補正率で計算することができます。

固定資産税路線価を調べたい場合には、全国地価マップのホームページを利用する方法が便利です。全国地価マップでは、直近4年分の固定資産税路線価を調べることができます。固定資産税路線価で土地評価を計算する際には、土地の奥行や間口などで補正が加わることにも注意が必要です。

固定資産税路線価は、あくまで固定資産税の課税の標準となる数字にすぎず、実勢価格とはかなりの差があります。よって、あくまで参考程度の数字にすべきであり、あまりに過信すると危険もあります。土地の評価を行う場合には、固定資産税路線価だけではなく相続税路線価や公示地価なども織り交ぜて、適切な評価をするようにしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket