実勢価格とは|4つの賢い調べ方で失敗しない土地取引を実現

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土地の売却や購入の際に利用される不動産評価方法は、「実勢価格」による評価方法です。

対象となる不動産の正しい評価を知っておかないと、相場より低い価格で売却してしまったり、相場より高い価格で購入してしまったりして不利益を被る可能性があります。

この記事では、土地の売買で利用する実勢価格の調べ方や注意点、その他の土地の評価方法との違いなどについてまとめました。失敗しない土地取引をするために、1つずつ確認していきましょう。

1.実勢価格とは

実勢価格

実勢価格とは、実際の土地の取引の場面で利用されている価格のことです。土地を売却したり購入する場合には、実勢価格を使って取引します。

たとえば実勢価格が3,000万円の土地であれば、3,000万円で売却購入するのが妥当だということになります。実勢価格が3,000万円の土地を3,300万円で売ることができたら、上手に売却をして利益が出ることになりますし、逆に3300万円で購入してしまうと損をする形になります。

実勢価格が3,000万円の土地を2,700万円で売却すると、相場より低い価格で売ることになるので損してしまいますが、2,700万円で購入した人はお得な買い物ができたということになります。

このように、土地取引の際に実勢価格を把握しておく必要性は極めて高いと言えます。実勢価格がわからないままだと妥当な価格の感覚がつかめず、土地の取引の際に思わぬ不利益を被ってしまう可能性があるからです。

2.実勢価格の調べ方

実勢価格の調べ方

土地の実勢価格を調べるためには、具体的にどのような方法を執れば良いのでしょうか。実勢価格の調べ方はいくつかありますので、調べ方について方法別にご紹介します。

調べ方1 不動産取引の情報サイト

実勢価格は不動産取引の情報サイトで調べることができます。この方法を利用する場合には、実際に土地の取引が行われた際の実勢価格を調べることが可能です。

代表的な方法が財団法人東日本不動産流通機構の中のReins Market Informationのページです。これを利用すると、全国で実際に土地取引された価格を調査することが可能です。

>> Reins Market Informationへ

また、以下の不動産情報サイトも役立ちます。ただし、これらのサイト上の情報には土地だけではなく建物も含まれますし、ここに記載されている価格は実勢価格そのままではなく、売り出し価格であることにも注意が必要です。

Yahoo!不動産
http://land.realestate.yahoo.co.jp/

goo住宅・不動産
http://house.goo.ne.jp/buy/la/

アットホーム
http://www.athome.co.jp/sell/14/

スーモ
http://suumo.jp/tochi/

ホームズ
http://www.homes.co.jp/tochi/

@nifty不動産
http://myhome.nifty.com/tochi/

調べ方2 国土交通省の土地総合情報システム

全国の土地の実勢価格を簡単に調べる方法として、国土交通省の土地総合情報システムを利用する方法があります。このサイトを利用すると、実際の土地の取引において利用された実勢価格を調べることができます。全国の土地が対象になっており、四半期ごとの価格を調べることができて便利です。

対象となる取引の内容は、更地と建物付、マンション等の3分類になっており、対象となる土地の種類は住宅地・商業地・工業地・その他の4分類になっていて、それぞれを指定して調べることができますし、土地の住所から検索して調べることもできます。

手軽に利用することができ、内容も充実していて便利なサイトになっているので、土地の実勢価格を調べたいときには、このサイトを利用してみるとよいでしょう。

具体的に土地の売買をする場面ではないけれど、漠然と土地の売却購入に関心があり、そのあたりの近隣の取引の実勢価格が知りたい場合には、国土交通省の土地総合情報システムを利用する方法が便利です。

>> 国土交通省の土地総合情報システムへ

調べ方3 各地の実勢価格図

各地の土地の実勢価格については、各種の団体が実勢価格図を発表しているので、それらを利用する方法もあります。たとえば東京都の場合、国立国会図書館が所蔵している東京都地価図(東京都宅地建物取引業協会)を参照する方法があります。(利用には登録利用者IDが必要です。)

>> 国立国会図書館 蔵書検索・申込システムへ

東京都の3.3平方メートルあたりの実勢価格が地図上に表示されていて、付属の「東京都地価変遷一覧」(CD-ROM)を利用すると、過去数年分の土地価格の推移も確認できます。

同様に、国立国会図書館に所蔵されている東京都実勢地価図や千葉県実勢地価図など、国立地学協会の実勢地価図を参照する方法もあります。これを見ると、地図上に土地の実勢価格と地価公示、都道府県地価調査における調査地点と価格がわかりますし、公示地価と基準地価の一覧表もあります。

さらに、国立国会図書館が所蔵している住宅新報社の「地価&家賃データ集」も見ることができます。これを利用すると、昭和34年から平成4年までの首都圏の実勢相場価格についての調査結果がわかります。

調べ方4 不動産の無料一括査定

土地の実勢価格を調べる方法として、不動産会社に簡易査定をしてもらう方法もあります。不動産会社に土地を査定してもらうと、その土地の個別の状況やその時の情勢に応じた実際の取引に利用できる価格に近い価格を知ることができます。

たとえば、ご紹介した不動産取引の情報サイトや国土交通省の土地総合情報システムなどで土地の実勢価格を調べたとしても、それはおおよその数字です。実際に自分の調べたい個別の土地がいくらで売れるのかという、具体的な金額を知ることはできません。

しかし、不動産会社に査定を依頼すれば、実際にその土地がいくらで売れるのかを知ることができます。

不動産の査定は無料一括査定の利用がおすすめです。いくらで売ることができるのか、その最高額を簡単に調べることができますし、申し込みはすごく簡単で1分以内に終わります。査定額を調べるためだけに使うことができますので、試してみてください。

具体的に売りたい土地があったり、買いたい土地がある場合には、対象となる土地の具体的な実勢価格を調べることができますので、この方法がおすすめです。

→ 60秒でできる不動産一括査定の解説へ

3.実勢価格の3つの注意点

実勢価格の注意点

実勢価格を見るときの3つの注意点をご紹介します。

注意点1 おおよその価格しかわからない

土地の実勢価格の特徴として、およその金額しかわからないということがあります。

たとえば、通常の洗濯機等の家電などの商品の場合、「その商品価格は〇〇円」とはっきりと示されていて、その値段で取引されます。しかし、実勢価格はあくまで「だいたいの目安」の価格に過ぎません。

たとえば実勢価格が3,000万円の土地であっても、それより高い価格や低い価格で売買されることもあります。さらに、同じ土地でも複数の不動産会社に査定を依頼すると、査定業者によって査定価格が異なることが普通です。

このように、実勢価格はあくまで参考価格にすぎず、絶対的な基準にはなりません。おおよその価格しかわからないので、「絶対に実勢価格で購入できる」と思い込むと、予想外の不利益を被る可能性があります。

注意点2 必ずしもその価格で取引されるわけではない

土地の取引を行う場合には実勢価格を利用しますが、必ずしも実勢価格で取引されるとは限りません。たとえばある土地の取引をする際に、どうしてもその土地が欲しい人がいれば、実勢価格の2倍の金額を支払って購入することもあります。

反対に、とにかく早期に売却する必要がある人の場合には、実勢価格よりもかなり低い価格で土地を売却してしまうケースもあります。

このように、実勢価格については、必ずしもその価格で取引されるわけではなく、事案によっては実勢価格とはかけ離れた価格で取引される可能性もあることに注意が必要です。

注意点3 一律に計算できない

土地の実勢価格の特徴として、一律に計算出来ないことが挙げられます。土地の評価方法には公示価格や路線価などもあります。公示価格や路線価の場合には、土地が面している道路の価格などによって一律に計算することができ、誰が計算しても同じ数字になります。

これに対し実勢価格は、その土地ごとの評価になることと、そのときの景気や社会情勢などによっても影響を受けるので、個別の対応が必要になります。

たとえば不動産会社に査定を依頼したとしても、隣の土地とも評価が異なることもありますし、3ヶ月も経てばその価格が変わってしまうことも多くあります。土地の実勢価格は一律に計算できないため、近隣の土地評価などを見て、「自分の土地も同じような価格で売れる」と思い込むことには危険があります。

4.公示価格との違いと価格の差

公示価格との違い

公示価格は国土交通省が土地の適正な価格として定める土地の評価額のことです。その年の1月1日時点での価格を基準として、毎年3月に発表されます。公示価格との違いは主に3つです。

  1. 公示価格はそもそも標準地にしか設定がなく、全国どこでも価格があるわけではないこと
  2. 公示価格は国が定めるものだが、実勢価格は国が定めるものではなく、実際の取引が行われる中で決まっていく価格であること
  3. 公示価格は一律の価格になるが、実勢価格は一律ではなく、その土地ごと、調べる時間や調べる業者などによっても多少異なること

なお、公示価格は実勢価格のおよそ90%くらいの数字になることが多いです。ただし、これはあくまで目安です。その土地によっては9割より高くなることもありますし、低くなることもあります。

5.路線価との違いと価格の差

路線価

路線価とは、全国の市街地道路に価格をつけて、その道路に面した土地の1平方メートルあたりの土地の価格のことで、相続税や贈与税などの課税の際に利用されます。路線価には、相続税路線価と固定資産税路線価があります。

①相続税路線価の場合

相続税路線価は相続税の課税基準として利用される価格で、単に路線価という場合には、この相続税路線価を指すことが多いです。相続税路線価は毎年一回更新され、その年の1月1日の価格を基準として、毎年7月に国税庁によって公表されます。相続税路線価と実勢価格の違いは主に4つです。

  1. 相続税路線価は国税庁が定める数字だが、実勢価格は土地の取引の中で決まっていく実績的な数字のため、誰かが決定するものではないこと
  2. 相続税路線価は土地が面している道路によって一律に決まるため、相続税路線価は誰が計算しても同じ結果になること(1年ごとの更新なので、1年間には変化することがありません。)
  3. 実勢価格は同じ土地でも査定者や査定時期によって評価額が変わり、一律の数字にはならないこと
  4. 相続税路線価は相続税などの税金の課税の際に利用される価格だが、実勢価格は土地の実際の売買などの取引において利用される価格であること

なお、相続税路線価は実勢価格の70~80%くらいの数字になります。公示価格と比較されることも多くあり、相続税路線価は公示価格の80%程度の数字になります。

②固定資産税路線価との違いと価格の差

固定資産税路線価とは、固定資産税の課税の基準となる路線価のことで、各市町村の市町村長が決定します。東京都の区については、東京都知事が決定しています。3年ごとの改定にされ、1月1日時点での価格が基準になります。固定資産税路線価と実勢価格の違いは主に4つです。

  1. 固定資産税路線価は市町村長という行政が決めているが、実勢価格は実際の土地取引の蓄積によって決まっていく金額であること
  2. 固定資産税路線価は誰が調べても一律の金額になるため、同じ土地でも査定金額が異なる実勢価格とは違うこと
  3. 固定資産税路線価は、あくまで固定資産税の課税の標準にするための価格だが、実勢価格は実際に土地の取引を行うための価格であること
  4. 固定資産税路線価を調べても、その価格で実際の土地の取引をすることはできないこと

なお、実勢価格の実勢価格の60~70%くらいになります。公示価格と比較されることも多く、その際は公示地価の70%程度であるとされています。

固定資産税路線価は、公示価格との差額がだいたい一律であることを利用して、相続税路線価が設定されていない場所の相続税の計算の際にも用いられることがあります。

6.まとめ

実勢価格は、その土地ごとに決まる価格であり、土地の査定者や査定時期、調べ方などによっても異なる数字になることがあり、一律ではありません。また、土地の売り出し価格や公示価格、路線価などとは異なるので、混同しないことが重要です。

目的に応じた適切な評価方法を利用して、土地の利用の際に不利益を被ることのないよう、賢く土地評価をしましょう。

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