クレジットカード手数料は消費税かかる・かからない?会計処理で困らない決済手数料の仕組みを徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
クレジットカード決済手数料にかかるTAX

クレジットカード決済システムを導入しているお店は年々増え続けています。

税理士、会計事務所に任せていたのに更正の請求手続きを行ったり、追徴課税を支払うことになるケースは多いです。

税理士・会計事務所の方に頼んでいるお店の場合でも、クレジットカード手数料の消費税の金額を間違えて処理してしまうケースもあります。

そうならないためにも経理担当者は「カード決済手数料の課税・非課税」の判断ができると余計な費用や時間、手間をかけなくて良くなります。

この記事では、クレジットカード決済手数料の消費税がかかるのかどうか、消費税の注意点などをまとめました。

具体的な金額の例などでも解説していますので、経理処理の仕訳で間違わないように確認していきましょう。

1.クレジットカード決済システムの仕組み

はじめにクレジットカード決済の基本的な流れを見ていきましょう。

  1. お客さんがカード払いで決済をする
  2. お店からカード会社にカード利用情報を送信(カード決済代行会社に契約している場合はカード決済代行会社に送信される)
  3. カード会社は後日、手数料などを差し引いた金額をお店に支払う(カード決済代行会社に契約している場合は「カード会社→カード決済代行会社→お店」の順で代金が支払われる)
  4. お客さんはカード決済にした金額を後日、カード会社に支払う

クレジットカード決済システムの仕組み

クレジットカード決済を導入する場合、直接カード会社と契約をする(直接契約方式)があります。この場合の金銭の流れは表①〜⑤です。

最近ではクレジットカード加盟店を開拓している業者(アクワイアラー)の働きにより、「決済代行会社経由契約方式(包括代理店契約方式)」を結ぶお店が増えています。

この契約を結んだ場合は、カード決済代行会社のカード決済システムを利用することになるため、カード決済の流れは表(A)〜(G)です。

カード決済手数料の消費税の課税か非課税は、直接契約方式か包括代理店契約方式なのかどうかで異なります。これについては次の2つのケースで詳しく解説していきます。

2.カード決済の手数料で消費税が非課税になるケース

カード決済手数料は売掛金(今後代金を受け取れる権利「金銭債権」)の譲渡にあたるため、決済手数料に対する消費税は非課税になります。(消費税法施行令第10条第3項第8号・9号10号に該当)

消費税法施行令第10条第3項第8号(出典:消費税法施行令第10条第3項第8号

消費税が非課税になるポイントは「金銭債権の譲渡にあたるかどうか」で、直接カード会社と契約をした場合のカード決済手数料はこれに該当します。

カード会社のカード決済システムを契約している場合、カード利用があると後日カード会社から「カード決済手数料を差し引いた金額」がお店に支払われます。

金銭の流れは次の通りです。(金銭債権の譲渡にあたる)

  1. お客さんがカード払いで決済
  2. 後日、カード会社はお店に「カード決済手数料を差し引いた代金」を支払う(金銭債権の譲渡)
  3. 金銭の取引が完了

例えばお客さんが1万円の商品をカード払いにした場合、消費税8%を含む1万800円(税込)で決済されます。

仮にカード決済手数料が4%の場合は、432円が販売価格から差し引いた金額が支払われます。(カード決済手数料=販売価格(税込)×カード決済手数料の利率)

<支払われる金額の計算式>

「1万800円(税込)-432円(4%の決済手数料)=1万368円(売上高)」

カード決済時にかかる手数料は、金銭債権の譲渡にあたるため非課税です。

計上する際には販売価格(税込)から「カード決済手数料」を除いて決算処理を行いましょう。

*最終的に売上計上をする場合は、この金額から仕入れにかかった消費税や経費などを除いた金額がこの商品の売上になります。

3.カード決済の手数料で消費税が課税になるケース

クレジットカード決済の導入方法で「決済代行会社経由契約方式(包括代理店契約方式)」を選択した場合、カード決済で発生する手数料の消費税は課税の対象です。

カード決済代行会社から支払われる代金の消費税の区分が異なるからです。

カード決済代行会社に通すことで「カード決済手数料→システム利用料(事務手数料)」に変わり、お客さんがカード利用をした場合には、カード決済代行会社から「代行手数料などが引かれた金額」がお店に支払われます。

消費税法施行令第10条第3項第8号・9号で記載があるように、「金銭債権の譲渡」「包括・個別信用購入あっせんに係る契約において、その金額が明示されているもの」が非課税になるため、システム利用料(事務手数料)は該当しません。

「包括・個別信用購入あっせんに係る契約」とは、消費者が購入した代金を消費者に代わって販売店に立替をして支払う購入することです。

お客さんとカード決済代行会社の間では信用取引をしていないため、消費税法施行令から外れます。(カード決済代行会社が契約をしているのはカード会社)

消費税法施行令第10条第3項第8号・9号(出典:消費税法施行令第10条第3項第8号・9号

カード決済代行会社と契約した場合の金銭の流れは次の通りです。

  1. お客さんがカード払いで決済
  2. 後日、カード会社はカード決済代行会社に代金を支払う(金銭債権の譲渡)
  3. 後日、カード決済代行会社からお店に「システム利用料(事務手数料)を差し引いた代金」を支払う(金銭債権の譲渡から外れる)
  4. 金銭の取引が完了

例えばお客さんが1万円の商品をカード払いにした場合、消費税8%を含む1万800円(税込)で決済されます。

カード決済代行会社にかかる消費税は課税の対象になります。

仮にカード決済手数料が4%の場合にかかる消費税は432円です。(1万800円(税込)×4%=432円)

消費税を支払う必要があるため、1万円(税抜)-消費税432円=9,568円が売上高になります。

「1万円(税抜)-432円(消費税)=9,568円売上高)」

*最終的に売上計上をする場合は、この金額から仕入れにかかった消費税や経費などを除いた金額がこの商品の売上になります。

4.消費税の計上の注意点

カード決済時の消費税の計上する際には、課税・非課税を把握しておかないと正確な税額を出すことができませんが、その他でも注意したいことを2つご紹介します。

注意1 会計ソフトを使っている

最近では会計ソフトを使って経理を行うお店や企業が増えています。

消費税は最終的な税額計算をするため、会計ソフトを利用する経理担当者は課税取引なのか非課税取引で計上するのかどうかの判断が必要です。

例としてカード決済手数料が非課税の場合、お客さんが2万1,600円(税込)をカード払いにした時の賃借対照表の仕訳を見ていきましょう。(決済手数料の利率は4%とする)

<借方(「資産」預金、売掛金が発生したお店などの債権者)>

  1. 売掛金2万1,600円
  2. 預金2万736円
  3. 決済手数料864円(非課税)

*売掛金は代金を受け取っていない状態で、1年以内に回収が見込める金額のこと。契約によって異なるが、「翌日払い、10〜15日後払い、月末払い」などが多い
*預金はカード会社から「決済手数料を差し引いた金額」の支払い。(2万1,600円×4%=864円、2万1,600円—864円=2万736円)

<貸方(「資本・負債」買掛金、未払金、支払手形、資本金などが発生したカード会社などの債務者)>

  1. 売上高2万円
  2. 仮受消費税1,600円
  3. 買掛金2万1,600円

*買掛金=1年以内に支払う予定がある金額

<正しい仕訳>

カード決済手数料の正しい仕訳

直接カード会社と契約している(カード決済手数料は非課税)場合は、この金額が入力されていればOKです。

次に誤った「課税計上」になっている仕訳を見ていきましょう。

<誤った仕訳>

カード決済手数料の誤った仕訳

今回の仕訳ではカード決済手数料は非課税になるため、仮払消費税はかかりません。

しかし、経理担当者が税込設定で会計をしてしまうと、手数料864円に対して消費税69円がソフトによって自動的に分けられてしまうので注意が必要です。(手数料864円×8%=69円)

課税取引なのか非課税取引になるのかでカード利用時の手数料の計上が異なるため、正しい設定で会計ソフトを活用していきましょう。

注意2 銀行振込・コンビニ払い・商品代引きの決済手数料は課税の対象

カード払い以外の決済手数料の話になりますが、お客さんによっては「銀行振込やコンビニ払い、商品代引き」で決済を行う場合があります。これらの決済手数料は課税の対象です。

クレジットカード決済手数料は非課税になるのに対し、これらの決済方法では計上の仕訳が異なるので注意しましょう。

5.消費税の計上が間違えてしまったらどうなる?

消費税の計上が間違えてしまうパターンは、

  • 非課税なのに消費税を差し引いて計算している
  • 課税なのに消費税を差し引いて計算していない
  • 会計ソフト上、消費税コードを間違えてしまっている

などが挙げられます。

多く税金を納め過ぎてしまった場合は「更正の請求」の手続きを行います。

更正の請求は、一度納め過ぎてしまった税金を税務署から戻してもらえる手続きです。

逆に利益を少なく計上してしまった場合は「修正申告」の手続きを行います。

この場合、決算書自体訂正することができない時は税務署に提出する確定申告で修正することになり、追徴税額が発生します。

間違ったまま放置していると税務調査の対象になり、「加算税」の税金も支払うことになるため、気付いた時点で税理士や会計士、税務署に相談すると良いでしょう。
*加算税はペナルティーになるため、税務署から追徴課税の通知が来た場合は「税額×10%」の不納付加算税を納めることになる。

6.カード利用者の決済手数料

カード利用者の話になりますが、国内でカード払いの場合は基本的に「カード決済手数料」はかかりません。(海外では10%前後かかることもあり)

まれに手数料を上乗せた金額で会計するお店もあるので、カード利用者は決済手数料が含まれていないか確認してからカード払いにしましょう。

カード決済手数料はお店側がカード会社に支払うものです。カード利用者に手数料を支払わせることはカード決済導入の規約違反になります。

ですが、接客業などのお店でカード払いにすると、10%などの決済手数料を請求する悪質なお店もあるので注意が必要です。

店員さんに問い合わせることが良いですが、それが原因でお店側と揉める可能性が高いので、現金払いに変更したり、物品の購入では購入自体キャンセルするなどの対応をしましょう。

万が一、カード決済で決済手数料が含まれた状態で支払ってしまった場合は、後日クレジットカード会社へ相談すると良いでしょう。

なお、3回以上の分割払いやリボ払いにすると手数料がかかってきますが、この手数料は支払う必要があります。(カード決済手数料とは異なる)

7.まとめ

クレジットカード決済手数料の消費税の区分を把握していないと、修正申告や更正の請求の手続きが必要になるので、仕訳が正確なのか確認して計上処理を行いましょう。

これからカード決済を導入する予定がある、すでに導入している場合は、カード会社やカード決済代行会社の契約書に記載のある手数料の利率も把握しておくことをおすすめします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket