育児休業給付金(育休手当)の全知識|育休を取っても育児とお金に困らない制度をご紹介

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育児休業給付金を調べている夫婦

育児休業給付金とは、雇用保険に加入している会社員や契約社員、パートなどの方が育児休業期間中に一定額が支給される制度です。

育児休暇を取る場合、その期間中お金がどうしても気になりますよね。

育児休業給付金は育児休業中の収入を支えてくれる強い味方です。申請するのとしないとでは、育児休暇を取る家庭の生活費が大きく変わってくることでしょう。

この記事では、育児休業給付金の申請から受給までの仕方や流れなどをまとめました。

受給期間を延ばせる「パパ・ママ育休プラス制度」の活用例などもご紹介しています。

これから育児休暇を取る方で育児休業給付金制度を詳しく知りたい方、育児休業給付金の手続きをする方は参考にして、申請していきましょう。

もくじ

1.育児休業給付金の支給対象者

育児休業給付は、原則1歳未満、または1歳2か月の子を育児するために育児休業をする方が対象です。(支給期間を延長する場合は1歳6か月未満、または2歳未満まで対象)

*支給期間を延長する場合、保育所が空いていないなどの理由があると1歳6か月、または2歳まで受給可能(支給対象期間の延長申請が必要)

*支給対象者はパパ、ママを問わない

育児休業給付金は、次の一定要件を満たしている方が受け取ることができます。これから申請をする方、または受給が始まってからの参考にしてください。

①雇用保険に加入している

育児休業給付金は、雇用保険に加入している必要があります。(被保険者)

株式会社の代表取締役、協同組合や農業協同組合などの役員、個人事業主の方は雇用保険の対象外なため(被保険者とならない)、育児休業給付金も対象外です。

なお、この制度は育児休業終了後、職場復帰を前提とした給付金です。育児休業時に「すでに退職している」、もしくは「退職予定がある」場合は育児休業給付金を受け取ることができません。

②育休前の2年間で11日(月)以上勤務した月が12か月以上ある

正社員の方は基本的に問題ないですが、パートやアルバイトなどの方は契約内容(勤務時間/日数)に注意しましょう。

詳しく説明すると、申請時からさかのぼり過去2年間の勤務期間が「11日以上働いた月」が「12か月(1年分)以上」あれば、育児休業給付金の対象者になるということです。

③育児休業期間中に賃金8割以上の給料をもらっていない

育児休業期間中に育児休業前の8割以上の給料をもらっていないことが要件の一つです。

例えば育児休業中でも給料が発生しており、休業する前の賃金8割以上をもらっている場合は、育児休業給付金を受け取ることができません。

仮に休業前、月々25万円もらっていた方が休業してからでも20万円(休業前の8割分)以上の給料が発生している場合は、この制度の対象外ということです。

この場合20万円未満ですと対象者になるため、育児休業給付金を受け取ることができます。育休中にアルバイトなどをする場合は、育休前の給料の8割未満に抑えて働くと良いでしょう。

④育児休業期間中に働いている場合、月に10日(80時間/月)未満である

育児休業期間中は、月に10日(80時間/月)以上、働いていると育児休業給付金を受け取ることができません。

逆に言えば、月に10日(80時間/月)未満なら働いていたとしても、給付金の受給資格があるということになります。

2.育児休業給付金の手続きから受給までの流れ

育児休業給付金の手続きから受給までの流れをご紹介します。これから申請する方、今後申請する予定がある方はぜひ参考にしてみてください。

<育児休業給付金申請の流れ(初回)>

  • 会社に育児休業給付金の申し出をする
  • 会社は事業所が管轄するハローワークに書類申請をする
  • 申請書類を受取後、必要書類と添付書類を会社に提出する
  • 会社は事業所が管轄するハローワークに提出と手続きをする
  • 申請後、1週間〜2週間程度で指定した口座に振り込まれる

(各自でハローワークに行き、必要書類を受取ることも可能)

勤務先の事業所が管轄するハローワークを見つける場合はこちら

→ https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html

初回の給付金の申請が完了したら、原則として「2か月に一度」会社に支給申請をする必要があります。(受給者が1か月に一度、ハローワークで支給申請することも可能)

3.育児休業給付金の必要書類

母子手帳やマイナンバーは各自で用意する必要がありますが、その他の申請書類は基本的に会社側が用意してくれます。

育児休業給付の申請手続きは、原則事業主を経由する必要がありますが、自身が希望する場合は本人でも手続き可能で、会社の事業所が管轄するハローワークから書類申請することができます。

育児休業給付金の申請で必要になる書類は次の通りです。

<初回の申請に必要な書類>

  • 雇用保険被保険者の休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書(初回)
    (個人番号欄にマイナンバー(個人番号)の記載が必要)
  • 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカードなど
    (賃金の額と賃金の支払い状況を証明することができる書類)
  • 母子手帳など育児を行っている事実確認できる書類

<2回目以降の申請で必要な書類>

初回の受給が始まってからは原則「2か月に1回」、申請する必要があります。

会社に申請してもらう場合は会社に、各自で申請する場合はハローワークで申請手続きができます。(ハローワークの開庁時間は8:30~17:15まで)

  • 育児休業給付支給申請書
    (受給資格確認や前回の支給申請手続後にハローワークから交付)
  • 賃金台帳、出勤簿、タイムカード
    (支給対象期間中に支払われた給料額、給料の支払い状況、休業日数、就労日数が確認できる書類)

<支給対象期間の延長で必要になる書類>

「保育所などが空いていない(*)」「負傷、病気などで教育が困難になった」「婚姻の解消」などの理由により、さらに育児休業が必要になった場合は、お子さんが1歳6か月、または最大2歳まで給付金を受け取ることができます。

*無認可保育施設の場合は申請不可

この場合は支給対象期間の延長申請が必要になり、次の書類が必要です。

  • 雇用保険被保険者の休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書(初回)
    (個人番号欄にマイナンバー(個人番号)の記載が必要)
  • 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカードなど
    (賃金の額及び賃金の支払い状況を証明することができる書類)
  • 母子手帳など育児を行っている事実を確認できる書類
  • 市町村が発行した「保育所などの入所保留通知書」など、保育が行われない事実が証明できる書類
    (市町村から入手困難の時はハローワークに相談)
  • 住民票の写し
  • 負傷、病気などの場合は医師の診断書

4.気になる育児休業給付の支給額

育児休業給付金は、「休業開始時の賃金日額」×「支給日数(通常30日)」×「67%(受給開始から6か月経過後は50%)」=が支給額です。

*休業開始時の賃金日額=「雇用保険被保険者の休業開始時賃金月額証明書」によって、原則休業開始前6か月の給料を「180日」で割った額

例えば月収が30万円の方の場合、「30万円×6か月÷180×30日×67%=201,000円」が支給額です。

受給6か月後からは67%から50%になるため、「30万円×6か月÷180×30日×50%=150,000円」になります。

簡単な計算式は「30万円×0.67(0.50)=201,000円(150,000円)」です。自分がもらえる支給額を算出してみましょう。

会社から申請をすると、受け取れる期間は2か月に一度と定められていますが、自身で申請をする場合は1か月ごとの受給も可能です。

なお、ママが申請をする場合、子供が生まれて8週間(2か月間)は育児休業期間に含まれないため(出産休業期間になる)、この8週間の間に申請手続きをし、出産3か月後から育児休業給付金を受け取ると良いでしょう。

給付金の受け取りまでは「3か月間」程度はかかると考えておいてください。

パパが申請をする場合は、出産日当日から育児休業が取得できるため、生まれた日から育児休業給付金の支給対象になります。

例として子供が1歳になるまで、ママの給付金がどのくらいもらえるか表にしてみました。

2か月に一度の受給で、月収は30万円で計算しています。

 支給額通常の給料
1月出産休業期間300,000円
2月出産休業期間300,000円
3月402,000円
(月額201,000円)
300,000円
4月   -300,000円
5月402,000円
(月額201,000円)
300,000円
6月   -300,000円
7月300,000円
(月額150,000円)
300,000円
8月   -300,000円
9月300,000円
(月額150,000円)
300,000円
10月   -300,000円
11月300,000円
(月額150,000円)
300,000円
12月   -300,000円
翌1月300,000円
(月額150,000円)
300,000円
合計額2,004,000円3,900,000円

なお、「休業開始時の賃金日額」×「支給日数(通常30日)」が「449,700円」を超える場合は、上限額449,700円が適用されるため、

449,700円×67%=301,299円が給付されます。(上限金額)

「休業開始時の賃金日額」×「支給日数(通常30日)」が「74,400円」を下回る場合は、下限額74,400円が適用されるため、

74,400円×67%=49,848円が給付されます。(下限金額)

*上限額と下限額は、毎年8/1に変更あり

5.知っ得!パパ・ママ育休プラス制度

  • 夫婦同時に育児をする
  • 夫婦が交互に育児をする

などの家庭の場合、不安定な収入になりかねます。このようなケースを解消してくれるのが「パパ・ママ育休プラス制度」です。

育児休業給付金の支給対象者の方は、パパ・ママ育休プラス制度を活用することで子供が1歳までもらえる受給期間を1歳2か月まで延長可能です。

パパとママで6か月ずつ受給すれば1年間割増で受給できます。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

パパ・ママ育休プラス制度の支給対象期間は、パパは「最大1年間」、ママは出産日(出産休業の末日)と産後休業期間、育児休業期間を合わせて1年間です。

ただし、ママは「出産日から8週間」は出産休業の対象になるため、実質的な期間は8か月程度と考えてください。(出産休業と育児休業は異なる)

育児休業を取る時期などを夫婦で話し合い、「パパ・ママ育休プラス制度」を活用していきましょう。

6.パパ・ママ育休プラス制度の活用例4つ

パパ・ママ育休プラス制度の活用例をご紹介します。

その1 交互に育児休業をして継続的に受給する

ママとパパが交互に育児休業をして、安定した育児、安定した経済にする活用方法です。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

ママの育児休業期間が終了すると同時にパパが育児休業開始することになります。

ただし、パパが行う「パパ・ママ育休プラス制度」の対象期間はお子さんが1歳になる日の前には受給資格を取得しておく必要があります。

1歳の誕生日を迎えると受給対象外になるため、申請時期には十分に注意しましょう。

その2 パパとママ2人で一緒(同時期)に受給する

パパ・ママ育休プラス制度 は夫婦同時期に給付金を受取ることも可能です。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

この活用方法は、パパとママ一緒にできるだけ長期間お子さんの育児が可能になります。

お互いの仕事も関係しますが、夫婦で育児をしていきたい、お子さんの成長を2人で見たい家庭におすすめです。

その3 パパとママの支給時期を空けて受給する

パパ・ママ育休プラス制度は、パパとママの支給時期を空けて受給することも可能です。

パパやママの仕事の都合上、同時期や交互に受給できない場合や祖父母が面倒を見てくれる場合などは、このケースで受給すると良いでしょう。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

その4 パパが2回に分けて受給する

育児休業開始の資格は原則1回までですが、「出産後8週間以内」にパパが育児休業の申請をした場合、パパは2回に分けて受給可能です。

ただし、出産後8週間以内にはパパの育児休業が終了していないといけません。

出産後のママをサポートしたい家庭は、ぜひこの時期に申請すると良いでしょう。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

7.パパ・ママ育休プラス制度が活用できない2つの例

パパ・ママ育休プラス制度が活用できない例をご紹介します。

その1 パパの育休開始日が子供の誕生日の翌日以降のケース

お子さんが1歳になった翌日以降にパパの育休開始をした場合は、「パパ・ママ育休プラス制度」の対象外になります。

パパが育児休業給付金を受け取るのであれば、必ず1歳になる日の前に育児休業開始の資格を取得しておきましょう。

例えば10/10にお子さんが生まれたケースでは、翌年の10/9までに育児休業を開始する必要があります。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

その2 ママの育休休業開始日がパパより先のケース

ママの育児休業開始日がパパより先の場合は、「パパ・ママ育休プラス制度」の対象外になります。(受給期間は1歳まで)ママは最大受給期間の1歳2か月まで受け取ることができません。

例えば出産後にパパより先にママが「パパ・ママ育休プラス制度」を申請した場合、ママの受給期間はお子さんが1歳になる日の前日までです。

次の表で解説すると、パパの受給期間は12/9までが対象ですが、ママの受給時期は「10/8」までになってしまいます。

ママの受給期間が1歳2か月(12/9)まで延びるわけではないことには注意しましょう。

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

なお、パパの育児休業開始日が先の場合は、ママも「パパ・ママ育休プラス制度」の対象になります。

少しでも夫婦の受給期間を延ばしたい場合は、この制度の活用例「その4 パパが2回に分けて受給する」で紹介した、パパが2回に分けて受給する方法をとることをおすすめします。

ママの出産休業期間中(出産8週間)にパパが育児休業の資格を取得すればOKです。(ただし、出産8週間以内に一度、育児休業が終了している必要があり)

(出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局「パパ・ママ育休プラス制度」

8.育児休業給付金のよくある質問

育児休業給付金のよくある質問を見てみましょう。

質問1 育児休業期間中に働いた場合、給付金はどうなりますか?

育児休業期間中に働いた場合、月の勤務日数が10日(80時間/月)以内であれば支給資格の対象です。この日数や時間を超えてしまう場合は対象外になってしまいます。

なお、勤め先の会社だけではなく、アルバイトやパート、臨時勤務などで働いた分も含まれます。

仮に支給期間中に働いた場合、休業開始時の賃金日額(*1)×支給日数(*2)の80%以上の給料をもらっていると、育児休業給付の支給額は「0円」になります。

(80%に満たない場合でも収入額に応じて、支給額が減額される場合あり)

*1 休業開始時の賃金日額は、原則として育児休業開始前6か月間の総支給額(保険料等が控除される前の額。賞与は除く)を180で割った金額

*2 支給日数は原則として、30日(育児休業終了日を含む支給期間は、その育児休業終了日までの日数)

質問2 受給期間中に次の子供を妊娠した場合、いつまで支給されますか?

次のお子さんの出産休業開始日の前日まで支給されます。(出産休業を取得しない場合は出産日)

例えば第2子の出産休業開始日の前日(出産休業を取得しない場合は出産日)に第1子の「育児休業が終了する」ことになるため、出産休業開始日の前日まで第1子の育児休業給付金が受け取れます。

なお、第1子と同様に第2子の育児休業資格を満たすことで、第2子に係る育児休業給付金を受給することが可能です。

質問3 支給期間中に退職したら受給額を返金する必要がありますか?

受給された育児休業給付金は返金する必要はありません。

育児休業期間中に退職した場合は支給対象にならないため、その支給期間以降はもらえなくなります。

質問4 受給期間中も税金を支払わないといけませんか?

社会保険料(健康保険、厚生年金)は、育児休業期間中の受給対象者と事業主負担分が免除されます。

ただし、住民税を支払う必要がある地域もありますが、育児休業給付の申請をしていれば、翌年の住民税は免除されます。

万が一、受給期間中の分の社会保険料(健康保険、厚生年金)納税通知書が届いた場合は、最寄りのハローワークで問い合わせると良いでしょう。

9.まとめ

育児休業給付金を申請すれば、育児をする際に安心して暮らすことができます。申請手続きは会社に任せても大丈夫ですし、各自で行っても構いません。

申請するのとしないとでは、育児教養生活でお子さんの養育とお金に困らずに済みますので、ぜひ該当する方は申請してみましょう。

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