キャッシュレス化のメリット・デメリット|海外では当たり前!?便利な支払方法のキャッシュレス決済を徹底解説

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スマホで買い物している人
  • キャッシュレスってメリットあるの?
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すでに言葉が浸透している「キャッシュレス化」ですが、実際にキャッシュレス決済している方はどれほどいるのでしょうか。

今後日本ではキャッシュレス決済が進み、現金を使わない支払い方法が当たり前になってくることでしょう。

「2020年東京オリンピック・パラリンピック」や「2025 年の大阪・関西万博」の開催国としてもキャッシュレス決済導入率を上げる政策がされているので、今のうちに取り入れることをおすすめします。

この記事では、キャッシュレス化の「メリット・デメリット」や今後のキャッシュレス化の流通などについてまとめました。

利便性の高いキャッシュレス決済サービスもご紹介していますので、これを機に現金払いからスマホ決済などのキャッシュレス決済にシフトチェンジしてみましょう。

1.キャッシュレス化のメリット7つ

クレカでショッピングする女性

キャッシュレス化になるメリットをご紹介します。

メリット1 現金が不要

キャッシュレス化になると現金が不要になるため、細かな小銭や財布自体持たなくなります。

紙幣を使わないので、ATMや銀行でお金を降ろさなくなるので、余分な入出金の手数料を支払わずに済みますし、ATMや銀行に行く手間もなくなります。

また、現金を持たなくなるため、ひったくりや窃盗などの犯罪が減るメリットがあります。

メリット2 お会計が簡単で早い

現金決済の場合、お財布から現金を出してお会計をします。お釣りがあればお釣りをもらいお財布に入れる流れです。

キャッシュレス決済の場合、スマホならレジの端末にかざせば決済完了ですし、カード(クレカやプリペイドなど)の場合は店員さんに提示、または端末器に挿入すれば支払完了です。

例えば交通系電子マネーのSuicaがイメージしやすいですね。切符を買わずにあらかじめSuicaにチャージしておけば、改札機にかざすだけで電車に乗ることができます。

このようにキャッシュレス化が進むと小銭などの金額を取り出す手間がなくなりますし、手っ取り早くお会計ができるメリットがあります。

メリット3 お金の管理がしやすい

現金払いの場合はレシートや領収書などでお金の管理をする方が多く、家計簿ノートや手帳などで管理する方法になってしまいます。記入する手間や時間もかかることでしょう。

それに比べ、キャッシュレス決済サービスはスマホやインターネット上で支払履歴がいつでも確認できるため、お金の動きを把握しやすいです。

また、キャッシュレス決済サービスはスマホの家計簿アプリなどと連携可能なので、家計管理も簡単にできます。

メリット4 ポイントが期待できる

キャッシュレス決済で買い物をすると、ポイントが付くキャッシュレスサービスがあります。例えばクレジットカードなどが身近なキャッシュレス決済です。

ポイント還元率はサービスによって異なりますが、基本的に「100円=1ポイント(1.0%)」が平均的です。

その貯まったポイントを使うことで、買い物ができたり、生活用品の商品交換などの使い道があります。

また、サービスの新規取得や新規利用で多くのポイントがもらえる特典などがあることも魅力の一つでしょう。

その他にもPayPayや楽天ペイなどでも利用額に対して「〇%還元キャンペーン」などの特典を付けています。

現金払いではポイントは付かないことが多いため、キャッシュレス決済の利用者はお得にお金を使えていると言えます。

メリット5 手数料がかからない

全てのキャッシュレス決済サービスではないですが、LINE Payなど独自の企業が取り入れているサービスの場合、決済手数料がかかりません。

また、アプリ決済サービスなどの場合、個人間での送金が手数料無料で利用できるサービスが多いです。

まだキャッシュレス支払時の手数料がかかるサービスもありますが、日本でキャッシュレス化を進める(普及率を上げる)ために、手数料無料で利用できる政策が取り入れられることでしょう。

メリット6 社会的信用がある

キャッシュレスサービスの中でも、入会審査があるクレジットカードを持っている場合は「社会的信用」があります。

無料のカードや一般カードの場合は審査に通りやすいため、社会的信用度は低いですが、審査が厳しめなゴールドカードやプラチナカード以上は非常に社会的信用度が高いです。

ゴールドカード以上を持っていることはカード会社の適正な審査に通り、利用者はカード会社に個人情報を提供していることが理由の一つでしょう。

また、海外では日本以上にクレジットカード社会なので、ゴールドカード以上を持っていると「この方はステータスがある」と判断され信頼度も高いですし、身分証明の代わりにもなります。

ただし、アプリ決済やプリペイドカードなどのキャッシュレス決済サービスは、入会審査がないものが多いため、クレジットカードのように社会的信用はないと考えて良いです。

メリット7 現金管理のコストが減る

キャッシュレス決済が浸透すると消費者だけメリットがあるわけではなく、お店側では「お会計ミス」がなくなったり、現金管理が不要になるため売上高の計算などの手間と時間が省けます。

レジを任されている店員さんは、お釣りの間違えがなくなるため安心して働くことができることでしょう。

ただし、国内のキャッシュレス決済導入率が増えると「セルフレジ」などになる可能性が高まり、雇用面からするとデメリットかもしれません。

2.キャッシュレス化のデメリット7つ

クレカを守りたい鍵

次にキャッシュレス化のデメリットも見ていきましょう。

デメリット1 使い過ぎてしまう

キャッシュレス決済は現金を使わないため、お金を使っている意識が低くなってしまう傾向にあり、思わず「使い過ぎてしまう」方が多いです。

博報堂生活総合研究所の「お金に関する生活者意識調査(平成29年)」データによると、キャッシュレス社会に「なった方が良い」と回答した方は「48.6%」、「ならない方が良い」と回答した方が「51.4%」でした。

年代なった方が良いならない方が良い
全体48.6%51.4%
男性58.7%41.3%
女性38.5%61.5%

(参考:博報堂生活総合研究所の「お金に関する生活者意識調査(平成29年)」

キャッシュレス化にならない方が良いと回答した方の理由として「浪費しそう」「お金の感覚が麻痺しそう」といった、使い過ぎてしまう不安の声が多かったです。

ただし、キャッシュレス化を目指している日本は、利用する不安をなくすためにテクノロジー開発や新たな仕組みによって、利用者が「使い過ぎ」をコントロールできるサービスを提供することでしょう。

例えば、

  • 利用額がすぐに分かるアプリ
  • 利用状況のアラート設定(例えば月に累積3万円、利用したらスマホアプリ通知が来るなど)
  • 利用限度額や利用場所の制限

などの機能が予測されます。今後も企業と家計簿サービスを提供する FinTech などと共同で実施していくでしょう。

* FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語

また、クレジットカードに対する不安がある方は、預金残高と連携している「デビットカード」、事前にチャージが必要でチャージ額までしか利用できない「電子マネー・プリペイド式」がおすすめです。

デメリット2 割り勘や別払いができない

現状では、キャッシュレス決済で「割り勘や別払い」のシステムが普及していないお店や決済サービスが多いです。

友達などと食事に行った際は現金が必要で、キャッシュレス決済で支払うのは不便なことでしょう。

ですが、お店側が人数分に割ってくれるお店もありますし、LINE PayやJ-Coin Payなどのキャッシュレス決済サービスでは、アプリを使い個人間での送金システムもあります。

今後の日本はキャッシュレス決済サービスが進み、「送金・割り勘・別払い」サービスを提供する企業はどんどん増えていくことでしょう。

デメリット3 個人情報が漏れるイメージがある

キャッシュレス化の問題視する「使い過ぎる」という不安以外にも、個人情報の流出、セキュリティ面を考え、まだまだ現金主義の方が多い傾向にあります。

キャッシュレス決済の場合、データ情報(個人情報)の基、決済が行われます。

スマホやクレジットカードの盗難などがあった場合、第三者に利用されてしまう可能性があることには肝に銘じておく必要があります。

また、ネットショッピングサイトや海外サイトでオンライン決済をした場合、パスワードやネットバンキング情報が盗み取られる(リスト攻撃とも言われる)可能性があることにも注意が必要です。

しかし、自身で個人情報を守ることが最も重要です。決済時に必要なパスワードを定期的に変更したり、誕生日など解りやすい番号ではなく第三者に推測されにくい暗証番号にすると良いでしょう。

現状では、ログイン回数の制限や2段階認証システムなどでセキュリティを強化していたり、カード会社と銀行(FinTech企業)間で個人情報を厳格に管理する施策をしています。

また、今後国内では利用者とお店の間では決済時に「個人情報が不要」で取引ができるシステムを導入していく模様です。

デメリット4 利用店が限られている

キャッシュレス化が進んでいるにも関わらず、現状ではキャッシュレス決済が使用できるお店が限られています。

コンビニは利用可能ですが、商店街のお店は利用できないなど、まだ国内のキャッシュレス決済サービスが浸透していません。

また、お店によっては使用できる支払い方法が限られており、クレジットカードや電子マネーはOKですが、QRコードの決済はNGなどが挙げられます。

なお、お店によってはキャッシュレス支払いに対し、「良い顔をされなかった」「一定金額以下はお断り」「昼食時はお断り」という経験をした人も多いです。

このような経験が利用者にとって、次からキャッシュレス支払いができない、もしくは躊躇する原因、浸透しない原因の一つになっていることでしょう。

キャッシュレス支払の環境は整っているものの、まだまだ現金を持ち歩く必要性があると感じます。

デメリット5 急に現金が必要な時に対応できない

キャッシュレス化が進んだ場合でも「冠婚葬祭」や「チャージを忘れていた」などで急に現金が必要になった時は困ってしまいます。

ある程度の現金を持っていないと対応できませんね。

ただし、今後はキャッシュレス決済サービスがどんどん向上するため、個人間(ネット上)でお金の取引が可能になりつつあります。結婚式のご祝儀などもオンライン取引になる時代が来ることでしょう。

デメリット6 使いこなせる自信がない

今までスマホやパソコンで「インターネットを使ってこなかった方」や「ネット環境の知識が不十分の方」などは、キャッシュレス決済システム自体、使いこなす自信がないと感じていらっしゃいます。

特にネット環境に不慣れな高齢者が多いですし、若年層の方でも「お店に嫌がられてしまうのではないか」という声も多かったです。

使いやすく、理解しやすく、トラブル対応ができる環境を作ることがキャッシュレス決済を普及していく課題になります。

デメリット7 電波が悪いと決済できない可能性がある

キャッシュレス決済ではネット環境が最も大事です。

停電などでレジが使えない、もしくはWi-Fiが利用できないなどの状況の場合は、アプリが立ち上がらないなどで決済ができないことがあります。

また、スマホのバッテリー切れなどもキャッシュレス化が進む上での大きな課題です。

しかし、今後は5Gが流通していくので、災害などを除けば電波の影響は受けにくいと考えられます。

*5Gとは、「モバイルネットワークの第5世代技術」のことです。4Gの約100倍の高速化が達成されており、ネット回線などの速度向上が期待されます。

なお、現金主義者であっても災害など緊急時の場合は、ATMでお金が降ろせないなどのデメリットがあるため、一概にキャッシュレス化のデメリットだと言えないでしょう。

3.キャッシュレス決済とは?

スマホで決済している男性

キャッシュレス決済とは、現金以外で支払いができることです。

国内のキャッシュレス決済利用率は20%程度で、買い物ではクレジットカード、公共交通機関では交通系ICカード(SuicaやPASMOなど)が多く利用されています。

とは言っても、先進国の中では、まだまだ現金払いの方が多いのが現状です。

主なサービスの種類は次の通りです。

種類決済方法
カード・クレジット
・プリペイド
・デビット
・オンライン
スマホ・アプリ
・QRコード
・バーコード
・オンライン
・交通系ICカード
・〇〇Pay
・〇〇Edy
電子マネー・交通系ICカード
・〇〇Pay
・〇〇Edy
・オンライン
仮想通貨・ビットコイン
・ウォレット
銀行・銀行振込
(Pay-easy)
・銀行振替
コンビニ・コンビニ収納
・ATM端末機
金券・ギフト券
・商品券
・図書券

次にキャッシュレス決済の「サービス・支払方法・特長」を見てみましょう。

キャッシュレス決済の「特長・決済タイミング・支払い方法

*1 決済時間などにより数時間後、数日後の時間ずれが生じることもあり

支払方法の簡単な解説は次の通りです。

  • タッチ式=端末器にカードなどを当てると「ピッ」と鳴り、決済完了
  • スキャン式=スマホアプリを起動し、QRコードをスキャンすると決済完了
  • スライド式=カードをレジ・端末器にスライドすると決済完了
  • 挿入式 =カードを端末器に挿入させて読み込むと決済完了
  • オンライン式=オンラインショップでクレカ情報を登録していると決済完了

4.キャッシュレス化が進む今後の動きとは?

今後の日本は、「2020 年の東京オリンピック・パラリンピック大会」の開催国として、キャッシュレス決済の普及率を高める方針で進めていくことでしょう。

平成29年6月に政府が決定した「未来投資戦略 2017」では、2027年までにキャッシュレス決済利用率を4割以上にすることを目指しています。

実際に外国の方が多い観光地には、カード決済端末機の導入やクレジットカードが利用できるATMが数多く設置されています。今後も増えることでしょう。

レジでは「スマホ一つで完結」「キャッシュレス決済専用レーン」「生体認証(指紋など)」での支払いなどが予測されるため、現金が不要なキャッシュレス化サービスが増えていくことでしょう。

また、「大阪・関西万博」を目標とした支払方法の改革宣言も行われております。

キャッシュレス決済の利用率4割以上を前倒しして、キャッシュレス推進協議会(仮称)と産業界、国、地方自治体、大学、研究機関(産官学)が連携して進めていくことでしょう。

将来的には、世界最高水準のキャッシュレス決済比率 80%を目指す模様です。

5.日本のキャッシュレス決済が普及しにくい理由

日本でも2018年秋から「LINEPayがQUICPay」に対応、2019年3月よりみずほ銀行が「J-Coin Pay(ジェイコインペイ)」のQRコード決済サービス開始など、企業や金融機関がキャッシュレス化に取り組んでいます。

では、キャッシュレス化が普及しにくい理由はどんな原因があるのでしょうか?

経済産業省のキャッシュレス・ビジョン(平成30年)のデータを基に、「利用者」と「決済サービス導入企業」の観点から解説していきます。

<利用者>

利用者がキャッシュレス化にためらいがある理由は次の通りです。

  • キャッシュレス決済に対応していない実店舗が多い
  • 使い過ぎてしまわないか不安
  • キャッシュレス決済サービスのセキュリティの不安
  • 盗難の少なさ、現金を落としても返ってくる「治安の良さ」
  • 偽札の流通が少なく「現金に対する高い信頼」
  • 店頭(レジ)での現金取引が正確
  • ATMの利便性が高く、現金の入手が便利

これらの理由により、キャッシュレス決済サービスへの移行に躊躇している傾向にあります。

特に、キャッシュレス決済に「対応していない実店舗が多い」ことやキャッシュレス決済にすると「店員さんが嫌がる・良い顔をされなかった」という声も多くいらっしゃいました。

次に決済サービス導入企業がキャッシュレス決済サービスへの移行に躊躇している理由を見てみましょう。

<決済サービス導入店>

決済サービス導入店がキャッシュレス化にためらいがある理由は次の通りです。

  • 加盟店手数料が高い
  • 「導入費・運用費・維持費」がかかる、または高い
  • 資金繰りが困難(入金までに時間がかかる)
  • キャッシュレス決済の要望がない
  • キャッシュレス決済のメリットがない
  • 現金の方が信用できる

などの理由が多く、加盟店手数料が高いと答えた方が「42.1%」もいました。

例としてクレジットカード決済導入店における加盟店手数料の利率を見てみましょう。

クレカ加盟店手数料の利率を表す図

(出典:野村総合研究所 加盟店手数料アンケート調査:2018年

*加盟店手数料はお店側が提携するクレジットカード会社によって異なる

このデータで最も手数料が高い利率は3%〜3.5%で、全体の4割(25%)のお店運営者がいることがわかります。

例えばカード決済で取引した売り上げ額が月に100万円の場合、3%〜3.5%の利率分の加盟店手数料は、30,000円〜35,000円です。お店側はこの金額をカード会社に支払うことになります。

売上金は、カード会社から支払われる仕組みです。入金までに半月〜1か月後の時間がかかることもキャッシュレス決済サービスの導入が進まない原因の一つだと考えられます。

もちろん、カード決済できる店舗はお客さんの集客率が高まりますが、現金決済のメリットは、そのまま売上高になりますし、加盟店手数料もかからないため、余分なお金を支払わなくて済むことです。

これらを考えると、お店運営者はキャッシュレス決済サービスの導入に躊躇してもおかしくありません。

他国のように国や産業界、地方自治体などの取り組みによって、加盟店手数料を下げる、もしくは無料などの施策が今後日本の課題になることでしょう。

6.世界と日本のキャッシュレス化の差

ネットショッピングしている外国人女性

先ほどお話した様に、日本でもクレジットカードや電子マネー、アプリ決済などのキャッシュレス決済が普及していますが、国内利用率は「18.4%」です。

世界各国のキャッシュレス決済比率は、アメリカで45.0%、中国は60.0%、韓国は89.1%と高水準です。

世界のキャッシュレス決済普及率を表す表

(出典:経済産業省 キャッシュレスビジョン)

先進国ではキャッシュレス決済比率5割を超えている国が多いことがわかります。なぜ普及率が高いかを他国のキャッシュレス化の事例で見てみましょう。

<韓国>

韓国のキャッシュレス化は、1997年の東南アジア通貨危機の影響を受けたことによって、キャッシュレス決済普及率を高めることができました。

韓国政府ではクレジットカード利用者を増やす対策を行い、1999年〜2002年の3年間でクレジットカードの発行枚数は「2.7倍」、カード利用額は「6.9倍」と急拡大に成功しました。

クレジットカード利用者を増やす対策は主に次の3つです。

  • 年間カード利用額の20%まで所得税控除の対象(上限30万円)
  • 宝くじ参加権の付与
  • 店舗ではクレジットカード決済の取扱いを義務化

また、電子マネーを活用することにより、硬貨の「発行・流通・管理」の社会経済的コスト削減(コインレス)に向けたパイロットプログラムを開始しています。

*パイロットプログラムとは、現金で買い物をした時のお釣りを、その人のプリペイドカードなどに入金し、お釣りが出ないようにする方策

国、産業界、地方自治体などがキャッシュレス化を促進したことで、世界最高水準のキャッシュレス決済比率「89.1%」になったことでしょう。

<中国>

中国では、1990年代まで決済システムやキャッシュレス決済のルールが統一されておらず、現金の印刷や流通コスト問題、脱税などの金融問題がありました。

2000年以降は、キャッシュレス決済を可能とした「生活アプリ」が浸透し、アリペイ(Alipay)など、オンラインとオフラインの両方から個人間送金可能な支払サービスが普及したことで普及率を大きく伸ばしています。

アリペイアプリの利用者は、電子マネーから生活スタイルのサービス提供も進化を遂げています。アリペイアプリの活用例は、

  • 公共料金の支払い
  • 病院の予約から支払い
  • タクシーやホテルの予約から支払い
  • 個人間での振込み

など、アプリ一つで完結できます。

また、世界200以上の都市や国の通貨にも対応しているため、中国国内では海外サービスの「ローン・保険・資産運用」などさえもキャッシュレス決済可能になっています。

アリペイのユーザー数は5億2千万人に達しており、今後10年間で世界20億人が利用するプラットフォームに成長することを目指している模様です。(2017年末時点)

なお、お店側の話にはなりますが、キャッシュレス決済で大きな課題は、お店側の支払取引でかかる加盟店手数料です。

中国80以上の金融機関によって設立された中国銀聯(ちゅうごくぎんれん)のキャッシュレス決済は、最高でも加盟店手数料を「0.55%」、医療や教育、社会福祉などでは「0%」に設定しています。

このような取り組みがあるため、キャッシュレス決済比率は「60.0%」になったと判断できます。

キャッシュレス化を起点に新しいビジネスモデルを構築していることは、日本も取り入れた方が良いと考えます。

ちなみに日本のクレジットカード決済導入企業における加盟店手数料は、「0%〜20%未満」と変動率が大きくカード会社によって異なります。

<スウェーデン>

スウェーデンのキャッシュレス化は、1990年代に金融危機に陥ったことで、金融機関と国が連携し、生産性向上を目指したことによって普及し始めました。

1990年代から小切手に手数料がかかる制度を導入し、手数料がかからない代替手段として、カード支払いシステムの導入が行われました。

また、スウェーデンでは「冬季期間の現金輸送の困難さや人手不足」、「現金の強奪事件」が後を絶たなかったため、キャッシュレス化の推進にもなりました。

2008年の銀行強盗件数は年間「110件」発生していましたが、2015年には年間「7件」まで減少したそうです。

実店舗では、現金の受取りを拒否するお店が増えており、「現金拒否(CASH FREE)」の表示によりキャッシュレス決済でしか支払えないようになっています。

スウェーデンでのキャッシュレス決済サービスで多く使われているのが、「Swish」です。

Swishは、個人間送金サービスを提供するスマホアプリとして登場し、2014年には実店舗での支払い、2017年にはネットショッピングなどのオンライン決済でも使えるようになりました。

国、産業界、地方自治体などの取り組みがあって、キャッシュレス決済比率が「48.6%」と高水準なことがわかります。

7.利便性の高いキャッシュレス決済サービス

スマホアプリにクレカを登録する女性

Apple PayやPay Payなどのキャッシュレス決済サービスも浸透しつつありますが、ここではすでに国内で導入されている利便性の高いキャッシュレス決済サービスをご紹介します。

「自分に合っている・使ってみたい」などの方は、これを機に活用してみると良いでしょう。

①LINE Pay

LINE Payは、スマホアプリLINEからリリースされたスマホ決済サービスです。

事前にチャージをすれば、スマホ一つで簡単に支払可能です。支払いの他には、LINEの友だちへの「送金・送金依頼・割り勘」ができます。(預金口座やコンビニなどからチャージ可能)

相手先の口座情報がわからなくても「LINEメッセージの友だち」登録をしていれば、送金などが可能です。

送金、送金依頼、割り勘をする際は安全な取引のために事前に本人確認が必要になります。(送金などの手数料も無料)

LINEペイ

(出典:LINE Pay)

さらに、LINE Payはアプリを起動し、QRコードやバーコード払いにすると「利用額の最大25%が戻ってくる」残高キャンペーンなども実施しています。(キャンペーンは期間あり)

2018年秋からLINEPayはQUICPayに対応し、飲食店などの店舗でコード決済ができるように導入するため、今後利用者は増えることでしょう。

なお、2021年7月31日までにはなりますが、LINE Pay決済サービス導入店の決済手数料を無料にしたこともあり、LINE Pay加盟店も増えて行く模様です。

→LINE Payの詳しい解説はこちら

②楽天ペイ

楽天ペイは、楽天グループのスマホアプリ決済サービスです。楽天ユーザーに人気があり、楽天ポイントも「貯まる・使える」のもそうですが、何よりも支払いが早いです。

楽天IDに登録するクレジットカード情報を利用して決済可能ですし、楽天Edy機能も楽天ペイアプリに統合する模様なので、今後楽天ペイ利用者が増えていくと考えられます。

ただし、クレジットカード情報が必ず必要になるため、カードを持っていない方の場合は、Visaデビットカードで登録しましょう。カード登録可能な種類は次の通りです。

  • すべての楽天カード
  • Visaカード
  • Mastercard

プリペイドカードや「JCBカード・American Express・Diners Club・Discover」など、楽天カード以外のクレカは利用できないため、楽天ペイの利便性は低いと考えて良いでしょう。

楽天ペイの主な決済方法は、「バーコード・QRコード読み取り・セルフ」の3つです。

楽天ペイ

(出典:楽天ペイ)

バーコード決済は、楽天ペイのアプリに表示されるバーコードをお店の方に見せて支払う方法です。バーコードをスキャンすれば決済完了になります。

QRコード読み取り決済は、アプリを起動させ、お店の方が提示するQRコードを自分のスマホで読み取る支払い方法です。

セルフ決済は、アプリ画面から支払う店舗を検索し、支払い内容(金額)を入力し、店員さんに確認をしてもらい支払う方法です。

ただし、セルフ決済の場合、万が一間違った金額を入力し支払いをすると、取り消すためにカスタマーセンターに連絡をする手間もかかってしまいます。利用する時は十分に注意が必要です。

楽天ユーザーの増加、今後日本のキャッシュレス化が進むにつれて、キャッシュレス決済ができる楽天グループ、または提携店はこれからも一層増えていくと考えられます。

→楽天ペイの詳しい解説はこちら

③J-Coin Pay(ジェイコインペイ)

J-Coin Pay(ジェイコインペイ)は、みずほフィナンシャルグループが提供するQRコードを活用したスマホ決済サービスです。(2019年3月よりアプリダウンロードとサービスが開始)

個人間によるお金の取引の「送る・送ってもらう」、お店などで「支払う」ことなどスマホ一つで完結できます。

さらに、みずほ銀行と地方銀行など約60社の金融機関が対応するJ-Coin Payのスマホアプリ機能では、預金口座の入出金が「いつでも・どこでも・無料」です。

J-Coin Pay

(出典:J-Coin Pay

預金口座からアプリにチャージすれば、手数料無料で「支払い」や「他のJ-Coin Payユーザーへ送金」が可能です。(チャージは24時間365日、1円単位)

なお、アプリ内にチャージした金額を預金口座へ戻す場合も手数料無料です。

買い物の支払いは、「iD」決済サービスが導入されている全国90万か所の加盟店でスマホ決済ができます。主な加盟店はコンビニ、スーパー、ファストフード、カフェなどがあります。

また、「2020 年の東京オリンピック・パラリンピック大会」の開催国として、訪日外国人向けにこの決済サービスを強化していく模様です。

今後は海外QR事業者の中国銀聯(ちゅうごくぎんれん)やアリペイ(Alipay)との連携により、グローバルなネットワーク拡大を推進していく予定です。

「銀行系デジタル通貨のプラットフォーム」として、サービス拡大をしていくこともあり、経費精算や給与振込など「企業-個人間送金」も取り組んでいるそうです。

J-Coin Payなら口座振込と違って手数料もかからず、経費コストの節減にもなるため、今後は勤め先の企業もこの決済サービスを取り入れる可能性が高くなることでしょう。

→J-Coin Payの詳しい解説はこちら

④Origami Pay(オリガミペイ)

Origami社が提供する「Origami Pay(オリガミペイ)」は、スマホアプリを使用した店舗支払サービスです。(会員登録費・利用手数料は無料)

Origami Payは、会計時にアプリを起動させ、QRコードのスキャン、またはバーコードを読み取るだけで決済完了になります。

Origami

(出典:Origami

アプリをダウンロードし、銀行口座やクレジットカード、デビットカードの登録をすると使用可能です。

Origami Payに対応しているクレジットカード、デビットカードは次の通りです。

  • VISA
  • Mastercard
  • セゾンカード

「JCBカード・American Express・Diners Club・Discover」などのクレカは利用できないため、Origami Payの利便性は低いと考えて良いでしょう。

なお、店舗における「初期導入・維持費用」は無料で、加盟店手数料は「~3.25%」なので、お店運営者はキャッシュレス決済サービスの導入がしやすいです。

今後キャッシュレス化が進むにつれて、Origami Payが使えるお店が増えていくことでしょう。

→Origami Payの詳しい解説はこちら

⑤Kyash(キャッシュ)

Kyash(キャッシュ)は、チャージ型のプリペイドカードで、VISA加盟店で利用可能です。

主な利用方法は、買い物での「支払い」、友人間の「送金・集金・立替・割り勘」のサービスがあります。1円単位で送金や請求などができて、全てのサービスは手数料無料です。

*受け取りや支払いにはKyashアプリのダウンロードが必要

Kyash(キャッシュ)

(出典:Kyash(キャッシュ))

また、入会手数料や年会費は無料で、年齢制限もなく本人確認不要で作ることができます。

Kyash(キャッシュ)は、ネット上で使う「バーチャルカード」とカード発行が必要な「リアルカード」の2つから選べます。

バーチャルカードは、カード自体の発行がなく、ネット上で管理する決済サービスです。簡単に説明するとネット上専用のチャージ型プリペイド決済システムになります。

国内や海外のネットショッピング(VISA加盟店)の支払いで利用可能で、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどでの利用者に向いています。

実店舗では利用できないため、コンビニや飲食店などのお店での利用したい場合は「リアルカード」を発行してもらいましょう。

リアルカードは、クレジットカードのようにプラスチックカードが発行され、実店舗でも利用可能です。

ただし、支払いは1回払いのみです。クレジットカードのように「分割払い・リボ払い」ができませんし、ショッピング保険や盗難保険、海外旅行傷害保険などの特典もありません。

これらを活用したい場合は、クレジットカードを利用すると良いでしょう。

クレジットカードだと「使い過ぎてしまう」などの場合は、事前にチャージが必要なKyash(キャッシュ)のサービスがおすすめです。

→Kyash(キャッシュ)の詳しい解説はこちら

8.まとめ

キャッシュレス決済にはメリットとデメリットもありますが、今後の日本の経済成長や国際社会の発展のために、どんどん普及していきます。

しかし、キャッシュレス決済では「使い過ぎてしまわないか」「セキュリティが心配」「導入費、管理費が高い」など、利用者とお店側の導入意欲は低い傾向にあります。

ですが、国・金融機関・企業などが、キャッシュレス推進に有効な環境作りを取り組んでいます。

これからキャッシング化のデメリットも改善され、キャッシュレス決済が当たり前の支払い方法になっていくことでしょう。

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